企業経営の未病をチェックし改善する
先日の院長日記に書いた「未病」ですが
超高齢社会の日本では、日常生活に制限がかかる期間をなるべく短くするために、平均寿命と健康寿命の乖離を小さくする工夫が求められており、最近では、この「未病」の状態を把握し、早期に改善を図ることに注目が集まっています。
今回の院長日記では、この「未病」という考え方を企業経営に応用しようという取り組みについてご紹介しましょう。
企業の経営状況は「健全」と「不振」を明確に区別できるものではありません。この「健全経営」と「経営不振」の間を連続的に変化する状態が「企業経営の未病」なのです。
中小企業・小規模企業の経営者は、経営状況が下降する前にその兆しに気づき、早期に必要な対策(「企業経営の未病改善」)を講じる必要があります。「未病」の状態のどこにいても、少しでも「健全経営」にもっていこうとする取組みがこの「企業の未病改善」と考えられています。
そして、この取組みを牽引しているのが神奈川県であり、ネット上で「企業経営の未病 CHECKシート」が公開されています。
これを用いて私たちのクリニックの経営上の課題やリスクを見つけてみると、やはり思っていた通りの結果がでました。私たちのクリニックは、高齢者用マンションの中に設置されている小さな診療所であり、外部からの来院が容易ではなく、このため将来のリスクとして、顧客の減少、売上の減少、競争力の低下、集客力の低下などを考える必要があります。そして、これを改善するためのヒントとして、私たちクリニックの強みの磨き上げ、サービスの充実・工夫の見直し、販促力の強化などを挙げることができるでしょう。
また、健康や医療に関するサービスは、ご利用者さまに信頼されてはじめて消費される「信頼財」と考えられています。このため私たちのクリニックでは、お一人お一人に時間をかけて、通常の保険診療に加え、サプリメントや点滴治療、水素ガス吸入療法について必要な情報を伝えてきましたが、これからは利用者の皆さまそれぞれの未病状態に適した情報を、もっと迅速に伝えることができるようなデータベースの構築が欠かせません。
さらに重要なのは継続性です。「未病対策」は例えばニコチンアミド モノヌクレオチド(NMN)や5-アミノレブリン酸(5-ALA)ように40歳から不足する栄養素の補充からはじまりますが、60-70歳くらいからはさらに水素吸入療法やエクソソーム療法を用いた抗炎症・発がん対策が必要になります。
「未病対策」は利用者さまそれぞれのレベルで、それ以上悪化・進行させないための医療サービスであり、このように各未病段階に応じた様々なサービスをご提供することで、切れ目ないサービスの提供が可能になるでしょう。