一流の“生活感覚”と人生観 論語【述而篇】
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子曰く、奢(おご)れば即ち不遜(ふそん)。倹(けん)なれば即ち固(こ)。その不遜(ふそん)ならんよりは、寧(むし)ろ固(こ)なれ。
贅沢をすれば華美に流れて身分不相応に尊大となり、倹約も度が過ぎれば頑固になる。この両方いずれもよくないが、しいていえば、むしろ倹約して吝嗇(りんしょく、ケチ)になった方がましである。
奢り、すなわち贅沢とは、無益なことに浪費をすることである。吝嗇とは当然支出すべきところにも惜しんで支出しないことである。無益なことにはいっさい浪費せず、支出すべきところには喜んで支出するのが中庸(ちゅうよう)の道である。
(渋沢栄一「論語」の読み方、竹内均編・解説)
無益なことと支出すべきところを常に判断しながら付き合っていれば、周りも自分自身も幸せな人生を歩むことができるのだが。今までを振り返ってみると、これがなかなか難しい。