鉄の星地球で生まれた生命:地球上で生きる生物に不可欠な鉄そして鉄の毒性③
もし体の中に鉄がなかったら、どうなると思いますか?
体内の鉄の大部分は、赤血球に含まれるヘモグロビンの中にあります。
このヘモグロビンが酸素を肺から体中に運ぶんです。
例えるなら、鉄は酸素のタクシーの運転手!
酸素は鉄がなければ、細胞に届けられません。
「鉄が不足するとどうなるでしょう?
体が必要な酸素を十分に受け取れなくなり、疲れやすくなったり、集中力が低下したりします。
これが『鉄欠乏性貧血』という状態です。
特に女性や成長期の子どもは、鉄欠乏性貧血になりやすいんです。
こんな症状に心当たりはありませんか?
それ、鉄不足が原因かもしれません。
そして皆さん、
鉄は酸素運搬だけでなく、エネルギーの生産にも深く関わっています。
細胞の中にあるミトコンドリアでは、『電子伝達系』という仕組みで
ATP(アデノシン3リン酸)というエネルギーを作っています。
このプロセスでは鉄が酸化還元反応を繰り返しているんです。
生物内で、鉄は2種類のイオン状態、2価鉄(Fe2+)と3価鉄(Fe3+) にあります。
それらは電子のやり取りによって簡単に変化できるため、さまざまな生化学反応に役立ちます。
言い換えれば、鉄がなければ私たちはエネルギーを生み出せません!