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院長日記

水素吸入療法の力 その⑤:ヒト研究における有効性(がん免疫反応)

武本 重毅

H2投与の興味深い免疫調節効果癌患者で観察されています。

癌患者では、プログラム細胞死タンパク質 1 (PD-1) を発現する CD8+ T 細胞タイプの免疫細胞の割合が高いことがよく見られ、

癌の予後不良と関連している可能性があります。

PD-1自己免疫を防ぐ免疫チェックポイント受容体であり、

免疫系に癌細胞を「監視」させるための免疫療法治療 (PD-1 阻害剤) に関与しています。

H2の投与は、癌患者の血液中のPD-1+ CD8+ T細胞の割合を低下させることが示されています。

これは、別々の臨床試験で大腸癌の末期段階と肺癌患者の両方で観察されており、

H2は両方の患者グループで癌の予後を改善しました。

さらに、H2は、以前はニボルマブ(オプジーボ)に対する反応が悪かった、

PD-1+ CD8+ T細胞レベルが高い癌患者において、

ニボルマブ(オプジーボ)治療の有効性を改善しました。

H2吸入治療後のPD-1+ CD8+ T細胞の割合の有意な減少は、胆嚢癌患者の症例研究でも見られました。

CD8+ T細胞の免疫活性の喪失は、ミトコンドリア機能不全による可能性があり、

H2はその中で重要な役割を果たしていることがわかりました。

H2ニボルマブ(オプジーボ)の併用療法で治療された大腸癌患者は、

ニボルマブ(オプジーボ)単独で治療された患者よりも有意に長い全生存期間を示しました。

別の研究では、他の治療を受けずにH2:O2(2:1)を吸入した非小細胞肺がん患者は、

細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー細胞など、免疫系に関与する6つの細胞サブセットのレベルが正常に回復したことがわかりました。

このように、H2免疫療法と組み合わせて使用​​することで、がん細胞に対する免疫反応を調節するという興味深い結果が得られました。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。