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院長日記

水素吸入療法の力 その⑥:ヒト研究における有効性(がん治療副作用)

武本 重毅

腫瘍の進行を制御するH2療法の直接的な効果に加えて、

いくつかの細胞および動物研究では、H2標準的ながん治療の抗腫瘍活性を低下させることなく副作用を軽減するのに効果的であることが示されています。

一連の副作用は、がん患者と生存者の両方のQOLに壊滅的な影響を与える可能性があります。

そのため、臨床研究では、化学療法放射線療法による傷害に対するH2の効果を調査してきました。

大腸がん患者134名を対象とした研究では、H2mFOLFOX6化学療法による肝障害を軽減できることが判明しました。

化学療法標的療法免疫療法を受けている非小細胞肺がん患者は、H2投与後に有害事象が減少し、一部の患者では有害事象が消失しました。

放射線療法は、いくつかのがん疾患に対する重要な治療法です。

放射線療法の副作用は、しばしば活性酸素腫(ROS)生成の増加と関連しており、これはH2治療によって減少する可能性があります。

ある研究では、6週間H2水飲用が、放射線療法を受けた肝腫瘍患者49名の生活の質を改善するかどうかを試験しました。

H2水の摂取は、放射線療法の抗腫瘍効果を損なうことなく放射線によって引き起こされる酸化ストレスに対する生物学的反応を減少させることが示されました。

放射線療法と併用したH2療法を受けた患者は、プラセボ水を投与された患者と比較して、生活の質が大幅に改善しました。

観察研究により、H2吸入療法は、抗腫瘍効果を損なうことなく白血球や血小板の減少など、放射線治療による骨髄障害を大幅に軽減できることがわかりました。

鼻咽頭がん放射線治療後は、嚥下困難脳損傷難聴などの副作用がよく起こります。

鼻咽頭がん患者3名が中等度から極めて重度の難聴を呈し、放射線治療後に補聴器が必要になったと報告されました。

患者らは、毎日4時間吸入によるH2投与を受けました(H2:O2 = 2:1)。

1~2か月後患者の両耳の聴力は大幅に改善し、患者1名は補聴器が不要になりました

これらの知見は有望でありますが、最終的な結論に達するにはさらなる研究が必要です。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。