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院長日記

水素吸入療法 その18:新型コロナウイルス感染症論文⑥

武本 重毅

中国の異なる7病院で100人の新型コロナウイルス感染患者を対象に先駆的な臨床研究が実施され、

図に示すように、標準的な酸素治療と比較して、H2:O2 2:1ガス混合物(3 L /分)の連続吸入がすべてのエンドポイントパラメータで完全に肯定的な結果を示しました。

主要エンドポイントは疾患の重症度、副次エンドポイントは呼吸困難胸部苦痛胸痛酸素飽和度であり、いずれも対照と比較してわずか2日間の治療で大幅に改善しました。

今回ご紹介した研究では、吸入された水素(H2が患者体内で悪玉活性酸素に結合し、これを水となって除去し、その結果、細胞の活性化抗酸化力ならびに免疫力アップをもたらしたのでしょう。

 

ミトコンドリアからの活性酸素種(ROS)の産生は老齢動物で増加するという報告が多くあります。

活性酸素種老化あるいは動脈硬化がんなどの成人病疾患の原因として、生体にとっては有害な面があり、

このような病態はまさに新型コロナウイルス感染におけるその重症化危険因子高齢者死亡者数の増加と関係があるのかもしれません。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。