ヘムとポルフィリン 3:COVID-19 物語その① 世界に広がる感染症
天然痘撲滅で有名な蟻田 功先生の事業を引き継いで
2008年から国立病院機構熊本医療センターで
JICA(国際協力機構)の発展途上国向け研修コースリーダーとして
世界3大感染症(SDGs)の一つである
「エイズの予防および対策」を担当させていただきました。
この時研修生から学び知った世界の実状は、私の考えを大きく変えました。
一般的な情報で私たちが目にしているのは氷山のほんの一角です。
多くの真実は報道されず(もちろん、逐一報道する時間もない)、世界情勢は大きく動いているのです。
研修員と昼夜を共にして1ヶ月過ごす中、私は様々なことを彼ら彼女らの口から聞くことができました。
感染症、性別、貧富の差、隣国との争い等、以前から変わらず、
今となっては、コロナ感染禍で疲弊し、長引く経済悪化で積もり積もった不平・不満が、
戦争を拡大させる懸念さえ拭い去ることはできない状況です。
これまで人類は、何度もパンデミックに襲われ、経済危機が起こり、さらに戦争が続くという甚大な被害を繰り返し被りながらも
それに打ち克ち、私たちの先祖は文明を進化してきたのでした。
しかし、そのパンデミックが、私たちが生きている間に現実のものとなりました。
2000年末に突如新型コロナウイルスが生まれ
2001年から実際にパンデミックが起こったのです。
私は当時からパンデミックを予測して情報収集していました。
私たちのような小さなクリニックにも
たくさんのワクチン接種希望者が押し寄せ、感染者を治療することになりました。
しかし、その状況の中、私たちの取り組むべきことが見えてきたのでした。
それは、私がコロナ禍の前から自身で取り組んでいた、アンチエイジング医療です。