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院長日記

5-ALAのEDに対する効果は?

武本 重毅

5-アミノレブリン酸(5-ALA)は、ミトコンドリアのエネルギー産生に関与する重要なアミノ酸であり、エネルギー代謝を活性化することでさまざまな健康効果が期待されています。

最近では、5-ALAがED(勃起不全)に対しても有用である可能性が指摘されています。

5-ALAがEDに対して期待される作用
1. ミトコンドリア機能の向上
• 5-ALAは、ミトコンドリアでATP(エネルギー)を生成する際に必要な物質であり、エネルギー産生を促進します。
• 陰茎の海綿体細胞のエネルギー代謝が改善されることで、血管拡張や持続的な勃起をサポートする可能性があります。
2. 一酸化窒素(NO)産生の増加
• EDの治療に用いられるバイアグラやシアリスは、NO(一酸化窒素)を増やして血流を促進することで勃起を助けます。
• 5-ALAもNOの産生を促進することが報告されており、血管拡張作用によって勃起の改善に寄与する可能性があります。
3. 血流改善と酸化ストレスの軽減
• 5-ALAは赤血球のヘム合成にも関与し、血流を改善する働きがあります。
• また、抗酸化作用を持つため、加齢や生活習慣による酸化ストレスから血管を守り、EDの進行を抑える可能性があります。

5-ALAとPDE5阻害薬(バイアグラ・シアリス)との違い
• バイアグラやシアリスは即効性があり、短時間で勃起を促す薬剤です。
• 一方、5-ALAは根本的にミトコンドリアの機能や血管の健康を改善するため、EDの根本的な予防・治療としての役割が期待されます。

結論
現時点では、5-ALA単独でED治療薬と同等の即効性を期待するのは難しいですが、ミトコンドリアの健康をサポートし、血管拡張やNO産生を促すことで、長期的なEDの改善に寄与する可能性があります。バイアグラやシアリスと併用することで、より効果的なED対策となるかもしれません。

今後、5-ALAのEDに対する臨床研究がさらに進めば、より具体的なエビデンスが得られることが期待されます。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。