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わたしたちのクリニックが目指す姿

聚楽内科クリニック

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、特に高齢者で重症化し、単なる呼吸器疾患というより、血管内皮の傷害に起因する血管炎/凝固障害/サイトカインストームなどを伴う全身多臓器の炎症性疾患というべき複雑な病態を呈しました。

高齢者における免疫低下、すなわち「免疫老化(immunosenescence)」が原因と考えられています。なかでも自然免疫の老化慢性炎症は重要です。高齢者では、感染初期の自然免疫応答が弱く、また、全身で、とりわけ血管内皮における低レベルの慢性炎症であるインフラマエイジング(inflammaging)が、常態化しています。

インフラマエイジングとは、さまざまな原因による炎症性サイトカインの継続的増加状態です。C反応性タンパク(CRP)、IL-6、IL-18、TNF-αなど、いくつかの炎症性バイオマーカーの血清レベルが中等度に上昇しています。

その原因として、まず、不適切な栄養による老化細胞の増加と、それがもたらす細胞老化関連分泌現象(SASP)を挙げることができます。不適切な栄養とは、具体的には、食事性炎症指数(DII)の高い食事と低栄養です。糖質の過剰摂取も終末糖化産物(AGEs)増加につながります。また、高血圧・糖尿病・肥満・高脂血症などによる全身の細胞死、とりわけ血管内皮細胞傷害は、死細胞から放出されるさまざまな分子を、危機管理上、ダメージ関連分子パターン(DAMPs)として認識して炎症性サイトカイン放出の上昇につながります。

このように、加齢による生活習慣病発症と、それに伴う各組織・臓器の老化による疾患が、わが国の国民医療費を増加させており、ジェネリック医薬品の積極的導入や後期高齢者医療制度の導入などの対応をしても医療費の増大を抑制できない状況です。そのために予防医学の早急な導入が課題となっています。すなわち、従来のように病気になってから治療を開始する疾病治療中心型の医療政策から、病気になる前に介入を行うことができる医療政策へとシフトチェンジしていく必要があります。アンチエイジング医療は、まさに加齢に焦点をあてた予防医療であり、現在のわが国の医療政策と一致する大きな流れとなっています。

内容を気にせず、好きな物や好きな飲み物を口にして、人間ドックなど健診で異常なければ安心して、しかし検査異常が見つかると対症療法にたより、生活習慣を変えることなく、内服薬を止められず、老化は進み、介護が必要になり、ついには終末期ケア・緩和ケアから死を迎えるという、中高年からの一生。これは前向きな人生とは言えないのではないでしょうか。

そのような生き方を自ら変えて、身体の中、遺伝子レベル・細胞(ミトコンドリア)レベルから改造・改善し、時には、その予防治療(アンチエイジング3本の矢)が機能していることを検査しながら、身体によい物を口にし活動的な生活で若返りを確認しながら毎日を過ごす。そして、健康長寿で、これからの20年先・50年先の人生を楽しみながら設計し直す。そんな前向きな人生はいかがでしょうか?

私たちのクリニックでは、健康寿命120年を掲げて、アンチエイジング3本の矢を皆様に提供しており、医学の世界ではもう既に「年齢逆転」や「不老不死」実現に向けての努力が始まっています。