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クリニックからのお知らせ

アレルギーに関与する肥満細胞が脳を守っているのかもしれません

聚楽内科クリニック

毎週、熊本市医師会看護専門学校の講義を受け持っています。

今月からはアレルギーの分野について話していますが、

その中に出てくる「肥満細胞」についての話題です。

この細胞は、アレルギー反応の“現場指揮官”として知られています。
花粉症でくしゃみが止まらないとき、皮膚がかゆくなるとき――
その背後で、肥満細胞がヒスタミンという化学物質を放出し、血管を広げたり、神経を刺激したりしているのです。

しかし、2025年10月に医学誌 Cell に掲載された研究が、この「アレルギー細胞」にまったく新しい顔を見せました。
なんと、肥満細胞は――

「脳を守る免疫の門番」であり、「脳の水(脳脊髄液)」の流れまでコントロールしている

というのです。

また別の論文では、

米国ワシントン大学などの研究によると、硬膜にいる肥満細胞が「脳卒中(脳梗塞)」の後、炎症のスイッチを入れていることが判明したのです。