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クリニックからのお知らせ
当院におけるアンチエイジング医療による自覚症状の推移についての臨床的評価
今回ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。
研究参加していただいた人数が少なかったため熊本で6月に開催される第24回日本抗加齢医学会総会での発表は見送ることになりましたが、ここでその内容を公開させていただきます。
[目的] 老化は自然現象で不可逆という概念が変わり、様々な研究の報告の基、医療機関においても、抗加齢医療が提供されている。当院でも2022年よりNMN、水素ガス吸入療法、エクソソームを用いるようになった。ヒトでの臨床研究の報告が少ない中、個別の自覚症状の推移より、臨床的な意義について評価する。
[方法] 本研究参加に同意した患者15名を被験者(平均年齢65歳)とし、治療前後の自覚症状の変化について10段階のvisual analog scaleを利用した主観調査を実施し、統計解析(対応あるt検定)を行った。自覚症状は、共通するものとしては、疲労感、肌の感覚、痛み、歩行速度、睡眠、排便、聴力、視力、集中力とし、その他個別の症状については自由回答を求めた。
[結果] 治療前より治療後が有意に高くなったのは「疲労感」(p<0.001)、「肌の調子」(p<0.05)、「痛み」(p<0.05)、「排便」(p<0.05)であった。個別の自覚症状の変化は、「COVID-19後遺症の咳嗽の消失」、「息切れの改善」、「髪質の変化」、「筋肉量の増加」、「体力の増強」、「浮腫の改善」、「酒に強くなった」、「脈が低下した」、「生理不順の改善」、「夜間の尿回数の減少」、「頭の回転がよくなった」が挙げられた。
[結論] 患者の個別に応じた改善点があり、アンチエイジングとしての効果を期待できると共に生活の質を向上させることが示唆される。