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闇の向こうに光を見る ― 新月から始まる内なる変容

聚楽内科クリニック

今日の月齢は1.6。
夜空に浮かぶ細い月は、蠍座のエリアをゆっくりと進んでいます。
ほんの少しずつ光を取り戻しながら、満ちていく始まりのとき。
それが「新月」です。

今回の新月を迎えた天秤座は、調和とバランスを象徴する星座。
光と闇、表と裏、正と負――そのどちらか一方を排除するのではなく、
両方を抱きしめてこそ、真の安定が生まれることを教えてくれます。

私たちの心にも、同じことが言えます。
誰の中にも「影」の部分があります。
嫉妬、怒り、後悔、劣等感…。
できれば見たくない自分、誰にも知られたくない感情。
それらを否定するほど、心のバランスは崩れやすくなります。

けれど、もしその影の奥に「まだ見ぬ光」が隠れているとしたら。
そう考えるだけで、少し勇気が湧いてきませんか。
光と影は切り離せない関係にあります。
影が濃いほど、そこに生まれる光もまた眩しいのです。

そして今、月は蠍座の領域へと移動しています。
蠍座は、外からの光が届かないほど深いところへ潜る星座。
痛みや恐れを避けず、心の奥底まで探りに行く力を与えてくれます。
そこで見つけるのは、他人と比べられない“自分だけの宝物”。
それは、過去の傷や弱さを通してしか見つからない、
あなただけの「再生の光」なのかもしれません。

キラキラ輝く他人の姿に目を奪われると、
自分の影ばかりが目立って見えることがあります。
けれど、そのギャップこそが人生の宝庫。
闇と光のコントラストがあるからこそ、私たちは成長できるのです。

新月から満月へと向かうこの時期。
蠍座の力を借りて、自分の内側に静かに光を灯してみましょう。
見たくない影も、実はあなたという存在を深く照らす一部です。
闇を恐れず、その奥にある光を見つけに行く――
それが、ほんとうの意味での「癒し」や「再生」の始まりなのです。

文責:聚楽内科クリニック 武本重毅