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Q:NMNは抗酸化物質として働きますか?

聚楽内科クリニック

NMNに関する質問がありました。

A:NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)自体は 直接的な抗酸化物質ではありません。しかし、NMNが体内で変換される NAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)には、抗酸化作用を間接的にサポートする働きがあります。

NMNが抗酸化に関与するメカニズム
1.  NAD⁺の増加を通じた抗酸化酵素の活性化
• NMNは体内でNAD⁺に変換されます。
• NAD⁺はサーチュイン(SIRT1など)を活性化し、細胞のストレス耐性を高めます。
• SIRT1はスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)やカタラーゼなどの抗酸化酵素を間接的に増強します。
2. ミトコンドリア機能の改善による活性酸素(ROS)の抑制
• NAD⁺はミトコンドリアのエネルギー産生に関与し、効率の良いATP産生を促進。
• これにより、電子伝達系の異常から生じる活性酸素(ROS)の発生を抑制する効果が期待できます。
3.  DNA修復のサポート
• NAD⁺はPARP(ポリADPリボースポリメラーゼ)というDNA修復酵素の活性にも必要。
• DNA損傷が修復されることで、酸化ストレスによる細胞ダメージの進行を抑えます。

結論:NMNは間接的に抗酸化に貢献する

NMN自体がビタミンCやグルタチオンのような抗酸化物質として直接活性酸素を消去するわけではありません。しかし、NAD⁺を介して抗酸化酵素を活性化し、ミトコンドリアの機能を最適化することで、結果的に酸化ストレスの軽減に寄与するという形になります。

抗酸化を目的とする場合、NMNに加えて水素ガス吸入、SOD強化食品、ポリフェノール(レスベラトロールなど)を組み合わせると、より強力な抗酸化対策が可能になるでしょう。