Q&A
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なぜ消化管手術後に貧血が起こりやすくなるのでしょうか。
ビタミンB12の吸収には内因子とよばれる糖タンパクが必要であり、それを分泌する壁細胞は胃体部(胃底部)に存在するので、胃体部(胃底部)を切除するとビタミンB12吸収率は著しく低下します。
胃全摘後にビタミンB12を投与しないと(体内貯蔵5年で欠乏)、約2~10年(平均的には5,6年後)で巨赤芽球性貧血を発症し、また、胃酸の分泌が減少すると鉄の吸収に必要なイオン化が阻害され、鉄欠乏性貧血を生じます。
胃部分切除では鉄欠乏性貧血が最も多く認められます。食事で摂取した鉄は十二指腸から空腸上部で吸収されます。
したがって、胃切除により悪性貧血(ビタミンB12欠乏)、鉄欠乏性貧血、十二指腸切除により鉄欠乏性貧血、回腸切除により巨赤芽球性貧血(ビタミンB12欠乏)が起こりえ、また大腸がん手術前後の出血による貧血も起こりやすくなります。