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聚楽内科クリニック院長先生の
健康講座

第7回:

軽度認知障害とその予防 ~今日から始める認知症予防と備え~

    開催日:
    2018年2月24日
    場所:
    特別養護老人ホーム 風の木苑
    講師:
    株式会社「Re学」の川畑 智代表取締役

 今回は、熊本県認知症予防プログラムを開発された株式会社「Re学」の川畑 智代表取締役を招き、特別講義をお願いしました。この川畑氏のプログラムは、熊本県市町村の介護予防事業で導入され、その実績において高い効果が得られており、いよいよ九州各県、全国へと広がっていく地域住民が参加するためのものです。

 聚楽内科クリニックでは、この一年近く利用者の方々の「未病・予防」を第一に、身体の検査・早期治療をおこなってまいりました。そのような中、進み続ける超高齢化社会において、最も重要な問題の一つが認知症の予防であります。この問題を解決しておかなければ、いくら運動や食事療法を頑張って健康寿命を延ばそうとしても、全く意味のないものになってしまいます。

 川畑式認知症予防プログラムでは、家族が気づく認知症の症状として、「もの忘れ」についてのお話から始まりました。会話の中で物の名前が出てこないで「アレたい、アレ!」、人(者)の名前が出てこず「何ていう人だったけねぇ、アソコの、アノ!」、そして何処に置いたかわからなくなり「ドコ?ドコ?」と探し回る。すでに50歳後半である私自身にとりましても他人事ではありません。さらには冷蔵庫の中に賞味期限が切れ変色し水浸しになった食材が放置されるようになる、家の中に小銭が貯まるようになる、自損事故で車に傷が入るようになる、といった認知症のサインについてわかりやすく(面白おかしく)教えていただきました。

 このように記憶、思考、行動が思うようにできなくなり、本人は何とかしようと思うのですが、その努力に対する周りの反応は冷たく、「何度も同じことを聞きなすな!」「何回言えばわかると!」と煙たがれ、怒られる始末。そんな方が川畑式プログラムを体験するうちに、「頭のモヤモヤが晴れた、スッキリした。」と回復していくのだそうです。

 今回参加された方々は、自分自身のために、家族のために、そして地域のために認知症予防に取り組みたいと考えていらっしゃいました。私も正しい認知症の理解を深め、好ましい認知症ケアの実践につなげていくために、認知症のリハビリ・ケア・コミュニケーションを学ぶことの重要性を痛感しました。聚楽内科クリニックを利用していただいている皆さま、そして私が育った西原(にしばる)町内の皆さまと一緒に、何とかこの予防プログラムを実践して、認知症予防のモデル地区として全国でも有名な地域にしてみたいと思った次第です。

自分自身のため、ご家族のため、地域のために熱心に耳を傾ける参加者の皆さん

自分自身のため、ご家族のため、地域のために熱心に耳を傾ける参加者の皆さん

川畑講師の話し上手に思わず笑みがこぼれる和気あいあいの雰囲気

川畑講師の話し上手に思わず笑みがこぼれる和気あいあいの雰囲気

最後は参加者一同で記念撮影

最後は参加者一同で記念撮影

※この記事は院長が行った講座の内容をまとめたものです。