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院長日記

リチウムは「脳とミトコンドリア」を守る鍵だった

◆ リチウムと老化・認知症の新たな関係 近年、リチウムがヒトの脳内に自然に存在し、神経細胞の機能を維持していることが報告されました。

特にミトコンドリア機能の保護作用や神経変性疾患(アルツハイマー病など)への予防効果が注目されています。

 

◆ ミトコンドリアとの深い関係 

リチウムの作用ポイント:

作用                           内容 

ミトコンドリア保護        膜電位とATP産生を安定化し、エネルギー代謝をサポート 

抗酸化作用                 活性酸素(ROS)の生成を抑制し、酸化ストレスを軽減 

ミトファジー促進          不良ミトコンドリアの除去を促進し、細胞の若さを維持 

神経再生促進              GSK-3β阻害を介して神経可塑性と記憶形成を支援

 

◆ マウス実験が示した驚きの効果

ハーバード大学医学部の研究によると、

リチウムが欠乏したマウスでは脳内にアミロイドβやタウタンパクの蓄積が顕著に増加し、記憶力も低下。

一方、低用量の新規リチウム化合物を投与すると、記憶機能が回復することが確認されました。

 

◆ “第4の矢”としての可能性も?

本書で紹介している「アンチエイジング3本の矢®」(NMN・5-ALA・水素)に加えて、 リチウムは“第4の矢”としての可能性を秘めています。

特に、脳の老化予防やミトコンドリアの恒常性維持という観点で、

今後の自由診療や予防医療への応用が期待されます。

 

出典・参考文献 • Yankner Lab (Harvard Medical School) • PubMed ID: 27835642, 22200943, 他

 

次章では、NMNと5-ALAが脳に及ぼす影響について、さらに詳しく解説します。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。