Director's blog
院長日記

熊本で発見されたエリスロポエチン

武本 重毅

カテゴリー: 

 「バイオ医薬品の金字塔」とも言われる貧血治療薬「エリスロポエチン(EPO、エポ)」。世界中の人工透析患者を支え、日本で30万人、世界で200万人以上が恩恵を受ける。この誕生には、患者の「おしっこ」をこつこつ集め続けた宮家隆次(みやけ・たかじ)さん(81)の執念があった。
 1974年のクリスマス、熊本大医学部の研究者だった宮家さんは「宝物」を収めたカバンを胸に、米シカゴの空港に降り立った。
 中身は、綿毛のようにふんわりした黄色い尿の粉末が、25本の容器に4.5グラムずつ入っていた。数年がかりで集めた熊本の患者の尿約2.5トンから抽出したものだった。
(朝日新聞 DIGITAL 2012年3月18日)

 昨日の院長日記でご紹介した今年のノーベル医学・生理学賞受賞の対象となった「HIF」。低酸素状態の身体が酸素を何とか取り込もうとするとき発現し、これが「エリスロポエチン」というサイトカインを産生させます。この「エリスロポエチン」を発見したのは、私の父の友人宮家隆次先生です。熊本大学医学部第二内科の同僚でした。父武重が撮影した宮家先生(左)と当時の教授河北靖夫先生(右)の写真を掲載します。おそらく血液学会で受賞されたときのものでしょう。

 

 この話を熊本市医師会看護専門学校の学生に話しているのですが、ピンとこない様子。明日もまた冒頭で力説してみます。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。