「糖尿病=ミトコンドリア病」連載 第5回 ― ミトコンドリアを整えるとはどういうことか 生活・栄養・治療の「正しい順番」
ここまでの連載で、
糖尿病は「血糖の病気」ではなく
ミトコンドリア(エネルギー)の病気として
理解できることをお伝えしてきました。
では次に浮かぶ疑問は、
とても現実的なものです。
ミトコンドリアを整えるとは、
実際には何をすればいいのか。
ここで大切なのは、
「特別なことを足す」よりも、
順番を間違えないことです。
■ ミトコンドリアは「繊細な発電所」
ミトコンドリアは、
24時間休まず働く発電所です。
しかし同時に、とても繊細です。
- 無理な栄養過多
- 慢性的なストレス
- 睡眠不足
- 炎症や酸化ストレス
これらが重なると、
ミトコンドリアは静かに出力を落とします。
糖尿病とは、
この「出力低下」が長く続いた状態
とも言えます。
■ 順番①:まず“邪魔を減らす”
最初にやるべきことは、
何かを増やすことではありません。
- 食べすぎない
- 間食を減らす
- 夜遅い食事を控える
これは「我慢」ではなく、
ミトコンドリアを休ませる時間を作る
という意味があります。
エネルギー工場も、
メンテナンス時間がなければ
効率は回復しません。
■ 順番②:次に“動かす”
次に大切なのが、
軽く動かすことです。
激しい運動は不要です。
- ゆっくり歩く
- 立つ時間を増やす
- 日常動作を丁寧に行う
筋肉は、
最大のミトコンドリア貯蔵庫。
「動かす → 使う → 回復する」
このサイクルが、
ミトコンドリアを元気にします。
■ 順番③:それから“支える”
ここで初めて、
栄養や治療が意味を持ちます。
- 必要な栄養が届く
- 薬が“無理なく”効く
- 体が受け取れる状態になる
この順番が逆になると、
「効かない」「つらい」治療に
なりやすくなります。
薬は、
ミトコンドリアが回りやすい環境を
後押しする存在です。
■ なぜ「生活が先」なのか
「薬を飲んでいるから生活はそのままでいい」
そう思われることもあります。
しかし、
ミトコンドリアの世界では逆です。
生活が整うことで、
薬は少量でも効きやすくなり、
副作用も出にくくなります。
これは精神論ではなく、
エネルギーの物理的な話です。
■ 第5回のまとめ
- ミトコンドリアは
繊細な発電所 - まず
邪魔を減らす - 次に
軽く動かす - その後で
栄養・治療が活きる - 大切なのは
足すことより順番
▶ 次回予告(第6回)
「薬は敵ではない
― ミトコンドリアから見た“薬の本当の役割”」
GLP-1、SGLT2、インスリンが
どの段階で、どう使われると
身体に優しいのかを整理します。

