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院長日記

「糖尿病=ミトコンドリア病」連載 第5回 ― ミトコンドリアを整えるとはどういうことか 生活・栄養・治療の「正しい順番」

武本 重毅

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ここまでの連載で、
糖尿病は「血糖の病気」ではなく
ミトコンドリア(エネルギー)の病気として
理解できることをお伝えしてきました。

では次に浮かぶ疑問は、
とても現実的なものです。

ミトコンドリアを整えるとは、
実際には何をすればいいのか。

ここで大切なのは、
「特別なことを足す」よりも、
順番を間違えないことです。

ミトコンドリアは「繊細な発電所」

ミトコンドリアは、
24時間休まず働く発電所です。

しかし同時に、とても繊細です。

  • 無理な栄養過多
  • 慢性的なストレス
  • 睡眠不足
  • 炎症や酸化ストレス

これらが重なると、
ミトコンドリアは静かに出力を落とします。

糖尿病とは、
この「出力低下」が長く続いた状態
とも言えます。

順番①:まず“邪魔を減らす”

最初にやるべきことは、
何かを増やすことではありません。

  • 食べすぎない
  • 間食を減らす
  • 夜遅い食事を控える

これは「我慢」ではなく、
ミトコンドリアを休ませる時間を作る
という意味があります。

エネルギー工場も、
メンテナンス時間がなければ
効率は回復しません。

順番②:次に“動かす”

次に大切なのが、
軽く動かすことです。

激しい運動は不要です。

  • ゆっくり歩く
  • 立つ時間を増やす
  • 日常動作を丁寧に行う

筋肉は、
最大のミトコンドリア貯蔵庫。

「動かす → 使う → 回復する」
このサイクルが、
ミトコンドリアを元気にします。

順番③:それから“支える”

ここで初めて、
栄養や治療が意味を持ちます。

  • 必要な栄養が届く
  • 薬が“無理なく”効く
  • 体が受け取れる状態になる

この順番が逆になると、
「効かない」「つらい」治療に
なりやすくなります。

薬は、
ミトコンドリアが回りやすい環境を
後押しする存在
です。

なぜ「生活が先」なのか

「薬を飲んでいるから生活はそのままでいい」
そう思われることもあります。

しかし、
ミトコンドリアの世界では逆です。

生活が整うことで、
薬は少量でも効きやすくなり、
副作用も出にくくなります。

これは精神論ではなく、
エネルギーの物理的な話です。

第5回のまとめ

  • ミトコンドリアは
    繊細な発電所
  • まず
    邪魔を減らす
  • 次に
    軽く動かす
  • その後で
    栄養・治療が活きる
  • 大切なのは
    足すことより順番

次回予告(第6回)

「薬は敵ではない
― ミトコンドリアから見た“薬の本当の役割”」

GLP-1、SGLT2、インスリンが
どの段階で、どう使われると
身体に優しいのかを整理します。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。