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院長日記

「糖尿病=ミトコンドリア病」連載 第7回(最終回) ― 糖尿病治療のゴールが変わる 数値から「生き方」へ

武本 重毅

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この連載では、
糖尿病を血糖の病気ではなく、
ミトコンドリア(エネルギー)の病気として捉え直してきました。

最終回では、
その先にある治療のゴールについてお話しします。

これまでの糖尿病治療のゴール

これまで、糖尿病治療の目標は明確でした。

  • 血糖値を下げる
  • HbA1cを基準内に保つ
  • 合併症を防ぐ

これらは、今もなおとても大切です。
数値管理が不要になったわけではありません。

ただ、ここで一つ問い直したいのです。

数値が良ければ、
人は本当に「健康」なのでしょうか。

患者さんが本当に望んでいること

多くの患者さんが口にするのは、
実はこんな言葉です。

  • 元気に動けるようになりたい
  • 疲れにくい体に戻りたい
  • 旅行や趣味を楽しみたい
  • 年齢なりに、でも前向きに生きたい

これらはすべて、
エネルギーが足りている状態
初めて叶います。

血糖値は、
そのための「条件の一つ」にすぎません。

ミトコンドリア視点で見る「本当の回復」

ミトコンドリアが回り始めると、
体にはこんな変化が起こります。

  • 朝の目覚めが軽くなる
  • 動いた後の回復が早い
  • 食後のだるさが減る
  • 気力が戻る

これらは、
検査値には表れにくい変化です。
しかし、生活の質(QOL)としては
非常に重要です。

糖尿病治療のゴールは、
これらの変化を取り戻すことにあります。

数値は「地図」、ゴールは「人生」

血糖値やHbA1cは、
例えるなら地図やコンパスです。

進む方向を確認するために必要ですが、
地図そのものが目的地ではありません。

目的地は――
その人らしい生活です。

  • 食事を楽しめる
  • 動くことを怖がらない
  • 年齢を理由にあきらめない

ミトコンドリア医学は、
そのための土台づくりの医療です。

糖尿病は「付き合い方」を変えられる病気

糖尿病は、
一気に治る病気ではありません。

しかし、

向き合い方・付き合い方は変えられる

病気を「抑え込む対象」から、
「体の状態を教えてくれるサイン」
として捉え直す。

その視点の転換が、
治療を苦行から納得へと変えます。

この連載が伝えたかったこと

7回にわたってお伝えしてきた
最も大切なメッセージは、これです。

糖尿病治療の主役は、
薬でも数値でもなく、
その人の体に備わったエネルギーである。

薬は支え、
数値は確認し、
ミトコンドリアは回す。

このバランスが取れたとき、
治療は初めて
「その人の人生を支える医療」になります。

最終回のまとめ

  • 血糖値は
    ゴールではなく道しるべ
  • 本当の健康は
    エネルギーが回る状態
  • 糖尿病治療の目的は
    生活の質を守ること
  • 数値の先にある
    「どう生きたいか」を大切に

おわりに

糖尿病は、
体が発している静かなメッセージです。

「少し疲れていますよ」
「流れが滞っていますよ」

その声に耳を傾け、
無理に押さえつけず、
丁寧に整えていく。

それが、
ミトコンドリアから始まる
新しい糖尿病医療
です。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。