「糖尿病=ミトコンドリア病」連載 第7回(最終回) ― 糖尿病治療のゴールが変わる 数値から「生き方」へ
この連載では、
糖尿病を血糖の病気ではなく、
ミトコンドリア(エネルギー)の病気として捉え直してきました。
最終回では、
その先にある治療のゴールについてお話しします。
■ これまでの糖尿病治療のゴール
これまで、糖尿病治療の目標は明確でした。
- 血糖値を下げる
- HbA1cを基準内に保つ
- 合併症を防ぐ
これらは、今もなおとても大切です。
数値管理が不要になったわけではありません。
ただ、ここで一つ問い直したいのです。
数値が良ければ、
人は本当に「健康」なのでしょうか。
■ 患者さんが本当に望んでいること
多くの患者さんが口にするのは、
実はこんな言葉です。
- 元気に動けるようになりたい
- 疲れにくい体に戻りたい
- 旅行や趣味を楽しみたい
- 年齢なりに、でも前向きに生きたい
これらはすべて、
エネルギーが足りている状態で
初めて叶います。
血糖値は、
そのための「条件の一つ」にすぎません。
■ ミトコンドリア視点で見る「本当の回復」
ミトコンドリアが回り始めると、
体にはこんな変化が起こります。
- 朝の目覚めが軽くなる
- 動いた後の回復が早い
- 食後のだるさが減る
- 気力が戻る
これらは、
検査値には表れにくい変化です。
しかし、生活の質(QOL)としては
非常に重要です。
糖尿病治療のゴールは、
これらの変化を取り戻すことにあります。
■ 数値は「地図」、ゴールは「人生」
血糖値やHbA1cは、
例えるなら地図やコンパスです。
進む方向を確認するために必要ですが、
地図そのものが目的地ではありません。
目的地は――
その人らしい生活です。
- 食事を楽しめる
- 動くことを怖がらない
- 年齢を理由にあきらめない
ミトコンドリア医学は、
そのための土台づくりの医療です。
■ 糖尿病は「付き合い方」を変えられる病気
糖尿病は、
一気に治る病気ではありません。
しかし、
向き合い方・付き合い方は変えられる
病気を「抑え込む対象」から、
「体の状態を教えてくれるサイン」
として捉え直す。
その視点の転換が、
治療を苦行から納得へと変えます。
■ この連載が伝えたかったこと
7回にわたってお伝えしてきた
最も大切なメッセージは、これです。
糖尿病治療の主役は、
薬でも数値でもなく、
その人の体に備わったエネルギーである。
薬は支え、
数値は確認し、
ミトコンドリアは回す。
このバランスが取れたとき、
治療は初めて
「その人の人生を支える医療」になります。
■ 最終回のまとめ
- 血糖値は
ゴールではなく道しるべ - 本当の健康は
エネルギーが回る状態 - 糖尿病治療の目的は
生活の質を守ること - 数値の先にある
「どう生きたいか」を大切に
✨ おわりに
糖尿病は、
体が発している静かなメッセージです。
「少し疲れていますよ」
「流れが滞っていますよ」
その声に耳を傾け、
無理に押さえつけず、
丁寧に整えていく。
それが、
ミトコンドリアから始まる
新しい糖尿病医療です。

