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院長日記

物理性ジンマシン(非アレルギー性ジンマシン)

武本 重毅

看護学校でアレルギーの講義をしていると、それに伴い、学生や周りの医療従事者から質問を受けたり実際に治療したりする機会が多くなります。
特に皮膚の病変の場合、さらには痒みを伴うような場合には、学業や仕事に集中できなくなってしまうので、その治療が重要になってきます。
ジンマシンは、日常ありふれた皮膚疾患とされ、一生涯で、ある個人が蕁麻疹を経験する率は約15%と報告されています。大きく分けると、アレルギー性のものと、そうでないものがあります。その非アレルギー性のジンマシンの中、日光、寒冷刺激、機械的刺激、発汗、圧迫などの刺激により生じるジンマシンは、物理的ジンマシンとよばれています。

では、なぜ物理的な刺激でジンマシンがおこるのでしょう。一説には、毒性物質を排除するための生体防御反応ともいわれています。一過性の血管拡張、血管透過性の亢進による血漿成分の漏出により、毒性物質が洗い流される反応と考えられているようです。患者さんはそれぞれの成長過程において、日光、寒冷刺激、発汗、圧迫などにより皮膚に感作するような物質を生じ、肥満細胞からヒスタミン、プロスタグランジン、ロイコトリエン、トロンボキサンなどのケミカルメディエーターを産生・遊離しやすくなっていると考えられます。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。