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院長日記

百寿者研究21報から見えてきた 「長く生きる人」に共通する7つの生物学的原理その⑨

武本 重毅

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百寿者が教えてくれる「回復」の新しい意味

この21報を読み終えて、私が最も重要だと感じたのは、

回復=元に戻ること

だけではないということです。

若い頃とまったく同じ免疫系に戻る必要はない。

若い頃とまったく同じ腸内細菌に戻る必要もない。

すべてのエピゲノムを若返らせる必要もない。

生命に必要なのは、

変化した環境の中で、もう一度生きられる状態をつくること。

そこで、Recovery Capacityをもう少し広く定義してみたいと思います。

Recovery Capacityとは、生命システムがダメージや環境変化に応答し、必要なものを修復し、不要なものを除去し、自らを再編成しながら、新しい恒常性をつくり続ける能力である。

そして、この考えを式にするなら、

Recovery = Restoration + Reorganization + Adaptation

です。

修復する。

再編成する。

適応する。

百寿者の身体では、このサイクルが100年以上にわたって繰り返されてきたのかもしれません。

MITO RISING Perspective

これまで老化研究では、

「何が壊れるのか」

が数多く研究されてきました。

しかし百寿者研究が教えてくれるのは、もう一つの問いです。

「なぜ、壊れても生き続けられる人がいるのか?」

ミトコンドリアも、

免疫も、

エピゲノムも、

腸内細菌も、

若い状態を永久に保存しているわけではありません。

変化しながら、生命全体として破綻しない。

ここに健康長寿の本質があるのかもしれません。

長寿とは、若さを保存することではない。

変化しながら、回復し続けることである。

Aging is not simply decline.

Recovery is not only restoration.

Recovery is also adaptation.

これが、21報の百寿者研究から見えてきた、新しい「長寿」の姿です。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。