Director's blog
院長日記

健康講話 第1回 2020年8月17日 ドコモショップ東バイパス店

武本 重毅

本日の話題

1. 産業医の役割
2. 新型コロナウイルス感染対策
3. 熱中症に注意

 

産業医の役割

従業員の皆さんが、健康的な毎日を過ごして

勤務時間を通して元気に楽しく働くことができるように

皆さんの健康管理を行い、営業所の環境を整えて

健康経営に携わっていきます。

これまで

白血病患者の治療や骨髄移植などで

白血球数が100やゼロの状態での感染症対策や治療に携わってきた経験と

もう今月で60歳(還暦)になります私自身の人生経験から

皆さんがいつまでも若く元気に毎日を過ごし

病院に行く必要がないような生活を送ることができるように

役に立つノウハウをアドバイスしていきたいと思っています。

 

内科医を長くやっていますと

話を聞いて見ただけで8割がた身体の状態がわかります。

そのちょっとしたサインから

食事内容や運動など少し変えるだけで、病気にならずに済むのです。

 

日頃の悩みや疑問だけでなく

他の施設で受けた健康診断結果や治療などについてその意味をわかりやすく説明し

生活習慣をどのように改善すれば良いかについてなどの相談にも乗ります。

 

 

新型コロナウイルス感染対策

 

早くも半年以上が経過し

日本中に広がり続ける新型コロナウイルスですが

これが治まるためにはワクチンと治療薬が必要です。

ワクチンで死亡者を出すわけにはいきませんし

ちゃんとした効果が出なくてはなりませんから

ワクチンが実用化されるのには、まだまだ時間が必要です。

おそらく今の状況は、来年再来年まで続くでしょう。

 

そして、これまでのパンデミックと同様

すなわち100年前のスペイン風邪では

船旅によるクラスター発生で飛行機が登場し主要な交通機関になったように

13~14世紀のペストの後には

農業から工業へと産業革命が進み農村から都市へと労働者が移り住んだように

(これはちょっと飛躍しすぎでした。人口減少により農地が空き地となり、イタリアではルネサンスが興り、宗教改革があり、そして大航海時代すなわちグローバリズムの幕が開きました。その後、これまでの物理学など科学的な発明が積み重なって工業化へと時代は大きく転換していきました。)

今回も生活様式が大きく変わることになります。

今われわれは

皆さんが高齢者になる頃にはお子さんやお孫さんの教科書に載るほどの

大事件の渦中にいるわけです。

 

さて、実際の対応について

お客様が入店する際の体温測定、アルコール手指消毒は、もちろんよいのですが

新型コロナウイルス感染は

症状が出る5日前から他人に感染させることがわかってきました。

すなわち

どのお客様も感染してるものと仮定して対応する必要があります。

 

感染症で怖いのは

空気感染する麻疹(はしか)と水痘・帯状疱疹と結核です。

もしも一人でもこの店内に患者がいれば、皆が感染しているかもしれません。

 

しかし新型コロナウイルスの場合それはありませんので

飛沫感染と接触感染に気をつけましょう。

マスク着用とパーテーション(仕切り)などで飛沫感染を予防します。

問題は接触感染です。

皮膚がバリアとしてはたらくので

開いている眼と鼻と口からウイルスは侵入してきます。

感染者の唾液や飛沫物がついた場所

感染者が自分の鼻や口を触った手で触れた場所は

目に見えませんが

その場所を把握しておいて

あるいは触った危険性のある場所を消毒することが必要です。

 

ウイルス感染に対しては

アルコール消毒とイソジン消毒が効果的です。

予防のためには

アルコールは身体の外、手洗いの後の手指消毒や手が触れる場所の消毒に使います。

イソジン(ポピドンヨード)は

イソジンガーグルを購入し、薄めてうがいや口腔内ゆすぎ

さらには原液でコップや歯ブラシの消毒に使用してください。

しかしながら、先日の大阪府知事の発言で

今やどこの薬局にも、そして処方しても在庫がない状態です。

もしも手持ちのポピドンヨード製剤があれば大事に使ってください。

 

環境汚染に関しては

パーテーション(仕切り)の設置だけでなく

室内換気、ソーシャルディスタンスの確保が必要です。

そして次亜塩素酸ナトリウム(ハイター、ブリーチなど)を希釈して掃除に使いましょう。

 

 

熱中症に注意

2019年5~9月

全国で熱中症により救急搬送されたのは7万1317人

死者は126人でした。

熱中症死亡者の約8割が65歳以上で

その中でも多くが自宅内、あるいは詳細不明の場所となっています。

重症化するのは

新型コロナウイルス感染者よりも熱中症患者が圧倒的に多いのです。

 

昨年ごろまでは

消費電力をセーブするために28℃に設定するのが推奨されていましたが

今やクーラーをつけっ放しで26℃に設定しなければいけないほど

最近の気温上昇は危険な状態です。

マスクの着用は、屋外ではやめましょう。

マスクにより、温かい呼気や二酸化炭素を再び吸い込むことになります。

二酸化炭素濃度があがると

例えば室内においても気温が上昇します。

体温の上昇を抑える必要があります。

体温上昇、脱水が進むと

体内の水分や塩分のバランスが崩れ

体温調節がはたらかなくなり

めまい、けいれん、頭痛、気分不良、食欲不振などさまざまな症状をおこします。

 

身体を冷やし

水分と塩分をこまめに摂取しましょう。

身体を冷やすためには

首周り、わきの下、足の付け根など

大きな血管が皮膚近くで触れるところに冷たいペットボトルをあてるなどしてください。

また所ジョージが宣伝しているOS-1の効果が認められています。

 

 

おわりに

皆さん自身の健康だけでなく

ご家族や御両親のことでも構いませんので

何でも相談してください。

 

お待ちしております。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。