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院長日記

うまく禁煙するために必要な脳活性化

武本 重毅

喫煙は害です。

 

タバコの煙には4000種類以上の化学物質、

そして約200種類の有害物質と60種類の発がん性物質が含まれています。

https://juraku-clinic.jp/medical-topic/lecture-archives/20190115.html

 

にもかかわらず、禁煙できないのはなぜでしょう。

 

皆さん口を揃えてこう言います。

「タバコを吸うと気分が和らぐ」

「ストレスが解消される」

 

そのニコチン依存症の原因は、つぎのような神経伝達物質(脳内ホルモン)です。

ドーパミン(快楽)

ノルエピネフリン(覚醒、食欲抑制)

セロトニン(気分の調整、食欲抑制)

アセチルコリン(覚醒、認知作業の向上)

 

ドーパミンは、「快感ホルモン」ともいわれるように、

楽しさや心地よさといった感情を生み出す物質です。

 

さらにドーパミンノルアドレナリンの前駆体でもあります。

 

セロトニンは、私たちの気分を調節します。

 

アセチルコリンは、記憶や認知能力に関係する物質です。

禁煙後これらの物質あるいはその刺激が減少すると、

身体に不具合が生じて、また喫煙したくなります。

 

ですから他の方法でこれらのホルモンを増やす必要があります。

実は、

 

これらのホルモンは

食事によって増やすことができます。

 

ドーパミン(ノルアドレナリン)を増やす

ドーパミン(ノルアドレナリン)の原料となるのは「チロシン」というアミノ酸で、

これを最も多く含んでいる食品は乳製品です。

 

正確にいうと、

乳製品に含まれている「カゼイン」と呼ばれるたんぱく質から「チロシン」は多く摂取できます。

乳製品の中でもチーズは、もっとも効率よく「カゼイン」を摂取できる食品といえます。

 

そのほかの食材として、大豆の煮豆、豆腐、納豆、枝豆、おから、きな粉など、大豆食品にも多く含まれます。

 

ですから、ドーパミンを増やすために、

チーズなどの乳製品と大豆食品を積極的に食べることをお薦めします。

その他チーズの効能(https://juraku-clinic.jp/medical-topic/food-and-medical-care/cheese01.html

 

アセチルコリンを増やす

大豆には、「チロシン」だけでなく「レシチン」という栄養素が多く含まれています。

「レシチン」は、体内でアセチルコリンに変わります。

 

「レシチン」は、ビタミンCと一緒にとると

アセチルコリンの生成がより高まります。

 

「レシチン」を多く含む食べ物には、ほかに卵黄や小麦全粒粉があります。

 

 

セロトニンを増やす

セロトニンの場合は、その原料となる「トリプトファン」を摂取するのが効果的ですが、

「トリプトファン」は、体内では生成されない必須アミノ酸のため、

やはり大豆や乳製品から摂取するしかありません。

 

そのとき炭水化物を必要とするため、主食となるご飯やパンをしっかり食べるようにしましょう。

 

 

その他の方法

魚の脂肪に豊富に含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)も、

神経細胞の活性化には欠かせないものです。

 

私たちの体内では、

DHAが増えるとアセチルコリンなどの神経伝達物質が活性化され、

記憶力や理解力などが向上します。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。