Director's blog
院長日記

新型コロナウイルス感染パンデミック後のニューノーマル:オンライン診療でできることできないこと(初診での保健診療)

武本 重毅

初診でも

いつ頃何をして、いつからどのような症状が現れて、その後はどのような状態に変化しているのか?

そういう情報から

ウイルス疾患やアレルギー疾患を疑ってみて、ある程度の候補を絞っていきます。

 

ウイルス疾患は、

発熱、風邪症状から、

扁桃腺が腫れ、首まわりのリンパ節が腫れるものや、

肝臓が悪くなり黄疸がでるもの、

神経がやられて歩けなくなるものまで様々です。

診断のためには、血液検査で抗体や抗原の有無を調べますので、まずはクリニック受診してください。

 

アレルギーについても、

鼻、目、呼吸器、皮膚などの異常、

そして口の中の違和感からショック状態まで症状やその原因は様々ですが、

その特徴からある程度は原因を絞ることが可能です。

でも診断のために、まずはクリニック受診しましょう。

そして、症状が安定して内服薬や吸入薬を続ける場合には、オンライン診療が可能となります。

 

 

さらに、その症状が、家族にもみられていたり、

健康診断の結果で異常を指摘されていたら、

高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症など生活習慣病を考えます。

 

高血圧では、

首や肩のこりから、

頭痛や吐き気のような症状が続き、脳出血や脳梗塞の危険性があります。

 

糖尿病では、

余分な血液中の糖が腎臓を経由して尿中に排泄され、

その際に血液中の水分も尿中に排泄を促すので(利尿作用)、

多量の尿が出て脱水状態となり喉が渇きます。

そうなると、さらに血液が濃くなって、血液の流れが悪くなり、

心臓を養う血管が詰まり(狭心症や心筋梗塞など虚血性心疾患)、

脳へ血液を送る血管が詰まり(脳梗塞)、

腎臓に血液を送る血管が詰まり(腎不全)、

四肢特に足の血流障害や神経障害がおこり、

さらには血液中を流れる白血球の機能を障害して感染がおきやすくなります。

 

脂質異常症では、

肝臓で中性脂肪や悪玉コレステロールがつくられ、

血液中を流れて血管壁に沈着し、

血管内腔が狭くなることで血流障害をおこして、

脳梗塞、心筋梗塞、腎不全になります。

 

高尿酸血症では、

尿酸結晶や尿酸結石が関節や尿路系につくられます。

関節の痛みや腫れは痛風発作として知られており、

消炎鎮痛薬を内服して炎症が治まるように治療することが第一で、

その後尿酸値を下げる治療へと移行します。

腎結石ではあまり症状はありませんが、

それが尿管まで降りてくると腰背部の激痛が出現します。

痛風発作や尿管結石による痛みに対しては、

クリニック治療が必要になります。

その後の尿酸値コントロールで安定した状態で内服治療を続けるようになればオンライン診療が可能になります。

 

いずれも最初は検査値だけの異常で自覚症状がありませんので、

症状が出現し悪化する前に、

自宅での血圧測定、健康診断やクリニック検査が必要です。

そして治療を開始し、状態が安定したら、定期的なオンライン診療での内服治療へと移行しましょう。

 

 

また、倦怠感が強くなり、めまいや立ちくらみがあれば、

それは貧血の症状かもしれません。

 

食生活や出血の有無、

アルコール摂取状態、

授乳中かどうか、

尿の色などの情報から、

ある程度は病名を絞ることができます。

 

まずはクリニック検査で診断します。

もしかしたら、腹部超音波検査や上部消化管内視鏡検査まで必要になるかもしれません。

 

診断が確定して内服治療を開始することになれば、

血液検査をする間の治療だけの期間であればオンライン診療が可能となります。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。