Director's blog
院長日記

新型コロナウイルスだけでない注意すべき感染症:その① 帯状疱疹

武本 重毅

カテゴリー: 

最近私たちのクリニックには、帯状疱疹のワクチン接種希望者が来院するようになりました。

 

帯状疱疹とは

水痘ウイルスが感染し、水疱瘡(みずぼうそう)が治った後

しばらくし忘れかけていた頃になり痛かゆい発疹が出現する病気です。強い神経痛が続く場合があります。

 

ウイルス感染ですから

最初の感染で水疱瘡が治った後は抗体をもっているので、外からの感染を防ぐことはできるのですが、

一旦神経節に入り込んでしまったウイルスを完全に消し去ることはできません。

抗体による免疫の力でウイルスを押さえ込んでいるのです。

ところが、加齢により免疫力がおちてくると、抗体の量も減り、ウイルスが再び増殖するのを許してしまいます。

 

さらに最近わかってきたことですが

水痘ワクチンの定期接種がはじまってから、帯状疱疹を発症する人が増えているようなのです。

何故かと言いいますと

以前のように水疱瘡にかかる子供がいる頃であれば、

歳をとっておちてきた免疫を

周りの子供や孫からの感染により再活性化することができていたのではないかと考えられています。

 

もうひとつ覚えておいて欲しいのが

この水痘ウイルスは空気感染するということです。

最初の感染である水疱瘡のときも、そして帯状疱疹のときも同様に、

周りの人に感染を広げてしまいます。

特に帯状疱疹を発症したときに

その周りに水痘ウイルスに対する抗体をもっていない人がいれば、その人は水疱瘡になってしまいます。

注意しましょう。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。