Director's blog
院長日記

抗原検査キットで新型コロナウイルス感染を検出できる時期できない時期

武本 重毅

カテゴリー: 

新型コロナウイルス第7波で

これまでにない位の感染拡大がおこり

医療体制・検査体制(特にワクチン接種による予防)が追いつかず

音をあげている。

 

そのような中

抗原検査キットの配布が始まった。

これは医療側の負担軽減を期待できて

よいことなのかもしれないが

多くの人びとが間違った使い方と

解釈をしているようだ。

 

以前から言われていたことだが

抗原検査の感度はPCR検査より低い。

つまりウイルスに感染していて

PCR検査で検出できても

抗原検査では検出できないことがある

 

そして最近の論文で明らかにされたのは

抗原検査の感度のピークが

発症4日後

ということだ。

 

ご存知だろうか。

ウイルスに感染した人は

感染してから発症まで数日かかる。

そして発症する2日前から

他の人々に感染させる力がある。

 

先ほどの論文でも

抗原検査が陰性だったとしても

その後3日間は連日2回の抗原検査をおこなうことで

検査の感度が上ることが証明された。

 

このように

抗原検査ではっきりするのは

陽性だった場合の感染成立なのであり

抗原検査で陰性だからといって

ウイルスに感染していないという保証は

何もないのである

 

毎日2回検査して3日間陰性であれば話は別だが...

 

JAMA Intern Med.2022;182(7):701-709. doi:10.1001/jamainternmed.2022.1827

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。