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院長日記

老化は疾病-「老いなき世界(LIFE SPAN)」その12 :手に負えないダメージ

武本 重毅

タバコや有害な化学物質、放射線は老化を早めます。

多少の困難や細胞のストレスであれば

エピゲノムにはプラスに作用します。

それが長寿遺伝子を刺激してくれるからです。

結果的にAMPKが活性化され

あるいはmTORが抑制され

NAD濃度が高まり

サーチュインの働きが活発になります。

そうは言っても

余計のダメージはやはり防ぎたいところです。

あいにく、世の中は余計なダメージだらけです。

まずはタバコです。

これほど悪いものはそうないと言って良い。

要するに喫煙とは

有害な化学物質を何千種類も混ぜ合わせて

毎日体に取り込むことに他ありません。

喫煙者が人より老けて見えるのには訳があります。

実際に老化のスピードが速いからです。

放射線も忘れてはいけません。

紫外線やx線

ガンマ線や屋内ラドン

こうした自然放射線や人工放射線はどれも

DNAをさらに損傷させます。

自分が今、何歳だろうが関係はありません。

仮にまだ10代であっても

既に老化は始まっています。

DNAの損傷があなたの時計を速めており

その影響は人生のあらゆる段階に及びます。

胎児も乳児も老化しつつあります。

だとしたら

60代や70代や80代の人はどうなるのでしょう。

すでに体が衰えるために

カロリー制限ができず

走りに行くこともままならず

真冬に雪まみれになって遊ぶこともできない人は

どうすれば良いのでしょうか?

もう手遅れなのでしょうか。

いや、全くそんな事はありません。

ただ、すでに

エピゲノムの変化や老化がかなり進んでいる人も含めて

誰もが長く健康に生きようとするなら

少しばかり手助けが必要のようです。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。