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院長日記

NMNがはたらくミトコンドリアその10:酸素を吸って二酸化炭素を吐く

武本 重毅

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人間は酸素がないと生存することができません。

 

酸素を吸って

二酸化炭素を吐きます

ではその酸素は何のために使われるのでしょう。

そしてどこから二酸化炭素が出てくるのでしょう。

 

それがミトコンドリアなのです。

 

肺に取り込まれた酸素

肺胞というところで血液中の赤血球に渡され

赤血球は全身に張り巡らされた血管の中を通って

体中の組織や臓器へと酸素を運び届けます。

具体的には

赤血球ヘモグロビンという色素が

酸素の多い肺において酸素と結合して二酸化炭素を放出し

酸素が少ない組織では酸素を放出することで

細胞は酸素を得ることができます。

このように赤血球

酸素を必要としている細胞に効率的に酸素を運ぶためには

赤血球が血液中の酸素の濃度を感知することが必要です。

赤血球の細胞膜にある「バンド3」という膜たんぱく質が

このセンサーとしての役割を担っています。

 

 

 

 

 

 

酸素

多くても少なくても細胞にとって害になりますが

赤血球はこのような制御機構により

過不足なく組織に酸素を供給

その細胞機能を維持しています。

 

そして次は

ミトコンドリア

です。

呼吸により二酸化炭素ミトコンドリア内で発生します。

そして二酸化炭素はガスの状態で細胞内外を行き来します。

二酸化炭素はある酵素の作用により

水と反応して重炭酸イオン(HCO3-)を生じます。

低酸素の状態では

細胞外で大量のHCO3-を生成します。

HCO3-は嫌気的解糖系で生じた乳酸を中和

アシドーシスを防ぐ役割があります。

 

このようにして生じた余分な二酸化炭素

赤血球により肺へと運ばれます。

 

 

 

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。