昨日の看護専門学校講義を終えて
今年の残る講義は
来月中旬の一コマとなりました。
コロナ禍の中、オンライン授業を貫き
新しくやってくるデジタル化の世で
力強く生き抜くためのノウハウを若者たちにも伝えたい
そんな講義を目指したくなってきました。
そこで今度の講義は少し特別なものにしてみようと思い
わたしが担当する看護学校の教科書(血液・造血器、アレルギー、膠原病)に目を通していますと
インターロイキン(IL)
サイトカイン
ヤヌスキナーゼ阻害薬
という単語が目に飛び込んできました。
実はわたくし
四半世紀ほど前に
「サイトカイン」 受容体下流の
JAK(ヤヌスキナーゼ)/STATシグナル伝達系の研究が始まった頃
白血病・リンパ腫患者から採取したばかりの細胞を用いて
サイトカイン刺激が無い状況でも
サイトカイン受容体下流のJAK/STATシグナル伝達系が活性化していて
それが腫瘍細胞の増殖と関連していることを
(おそらく)世界で初めて証明した日本人なのです。
細胞レベルで確認された事象を
動物レベルでなく、人間で証明するという競争が始まっており
わたしは渡米して最初の仕事が大当たりしたのでした。
上の図は
わたしが2015年に九州大学病院の教授選に出たときに
九州大学の教授や先生たちの前で話をしたスライドの一枚です。
中央の写真は米国コールド スプリング ハーバー研究所で発表したときのものです。
最初はポスター発表だけのつもりだったのですが
この発表中にスーツ姿の女性がやってきて
「翌朝、皆の前で発表してもらうからスライドを用意してください。」と言われ
急なことで焦りまくったのを覚えています。
今なら何てことはない英語での発表と質疑応答ですが
当時は頭の中が真っ白でした。
久しぶりに
その論文について
PubMedで検索してみると
他の論文への引用回数が225で
驚いたことに
ここ数年の間も論文への引用やダウンロード回数が増えているようなのです。
来月の最終講義までにはまだ時間がありますので
わたしの複数の論文が引用されている研究について少し探りを入れてみて
今の医学研究の流れを
ひも解いてみたいと思っています。