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院長日記

間葉系幹細胞療法、そして間葉系幹細胞培養上清療法

武本 重毅

骨髄中に含まれる間葉系幹細胞(MSC)の数は

総有核細胞数の0.01%と非常に低い割合とされています。

すなわち骨髄1mL中には約10万個の様々な細胞が含まれていますが

その中のMSCの数は10個程度です。

しかしMSCは比較的容易に培養して増やすことができます

古くより

骨髄にはMSCの存在が知られており

この細胞(MSC)軟骨に分化することが多く報告されてきました。

さらに

この細胞(MSC)血管への分化能をもち

その分化をサポートするサイトカインも分泌します。

臓器・組織の再生には血管新生が必須であり

この点からも

この間葉系幹細胞(MSC)種々の疾患治療に有用と考えられています。

このようにこのMSCを用いることにより

いままでの治療ではなし得なかった

難治性の疾患治療が期待できます。

前回の院長日記で書いたように

患者骨髄から単核球を分離して

血流がほとんどなくなっていた前腕いっぱいに少量ずつ皮下注射すると

血管新生(再生)がおこり右のように豊富な血流が回復するのです。

 

このような

間葉系幹細胞療法

自己間葉系幹細胞を用いた再生医療

利用する幹細胞

骨髄

脂肪組織

胎盤組織

臍帯組織

歯髄等から取得します。

 

間葉系幹細胞(MSC)の特徴としては次の3点があります。

1. Paracrine Effect (パラクライン効果):

 幹細胞から分泌される物質が周囲の組織 に影響を及ぼします。

 その主体はサイトカインEVs(細胞外小胞)です。

2. Immunomodulatory Capability (免疫調節能):

 文字通り免疫を調整します。

3. Homing Effect (ホーミング効果):

 細胞が修復が必要な部位に自走します。

 

その一方で

間葉系幹細胞培養上清療法という

幹細胞の培養液の上清み液(細胞を除く)を用いる治療法があります。

細胞を用いないので再生医療の範ちゅうではなく

私たちのクリニックでおこなうことができます

今話題のエクソソームを含んでいるので

別名エクソソーム療法とも呼ばれます。

 

幹細胞療法と比べて

長所としては

幹細胞療法に準じた効果が期待できます。

それは

臓器・組織の再生

難治性の疾患治療

です。

そして

待機時間がありません

短所としては

幹細胞療法と違いホーミング効果は期待できないことです。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。