ポストCOVID-19の高齢者施設では心不全に注目
最近がんと比較して
高齢者の心不全が増加しており
年齢が増すほど
その死亡原因になっています。
このような患者では
心不全を増悪させる多種多様な要因(併存症)の大多数は
心臓以外の他臓器の老化であると考えられています。
また、高齢者では
認知症、難聴、失語症など老化による症状のために
病歴聴取が困難であったり
症状の原因を特定するのに難渋したりする場合も多いようです。
症状は非典型的で
呼吸困難以外にも
元気がなかったり、食欲がなかったりといった症状に
注意が必要です。
心不全の治療に関しては
多くの薬剤の有効性が確立されてきましたが
75~80歳以上の高齢者は
これら臨床試験では除外されていることから
β遮断薬、RAS阻害薬、アルドステロン拮抗薬が
高齢者においても若年者と同様に有効であるかは明らかではありません。
また高齢者に多い心不全のタイプに対する
有効性が示された薬剤はいまだ存在しません。
高齢者の心不全では
心機能自体よりも
フレイル、サルコペニア、栄養状態などが
より予後を規定することが示されています。
さらに高齢者心不全は
心臓の老化と心臓以外の臓器の老化を基礎とする
コモン・ディジーズ(日常疾患)であること
再入院を繰り返して死に至る進行性かつ致死性の疾患である
という認識から
在宅におけるケアを中心に
リビングウイルや緩和ケアについても考えていかなければなりません。
最後に
私たちのクリニックでは
アンチエイジング治療の3本の矢を
提供しております。
以前の院長日記に書きましたように
その3本の矢の中でも
NMN (ニコチンアミドモノヌクレオチド)点滴療法と
水素ガス吸入療法が
高齢者心不全治療の壁を越えて
このような心不全患者さんの
お役に立てるのではないかと考えているところです。