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院長日記

がんの原因とは②:放射線被爆対策

武本 重毅

放射線被爆については、正直に言うと、自分ではCT検査を受けないようにしています。

最近は医療従事者の皆さんもご存知のことと思いますが、医療被曝に関する問題です。

一般の皆さまの認識として、人間ドックなどでCT検査を受けて異常の有無を確認したいという希望があるようです。しかしながら、そのことで集団検診における胸部X線撮影の100倍以上もの被爆線量となることを、皆さんご存知ですか?

管理された1線源からの一般公衆の年間線量限度(というもの)を、1回のCT検査で簡単に超えてしまいます

なぜこのようなことが許されているかというと、医療上必要な放射線利用による被爆線量には制限がないからです。

その検査による利益が危険性を上回る場合はよしとするからです。

「無症状で検査の異常もないけど、何処かにがんがないか調べたいなぁ」というくらいの理由でCT検査するはNGです。

さらに、ここで血液内科専門医としての立場から申し上げれば

人間の臓器・組織の中で最も放射線への感受性が高いのは

造血に関与する骨髄

免疫系の重要な臓器である脾臓胸腺、そしてリンパ節です。

したがいまして、

血液系のがん(白血病、骨髄異形成症候群、リンパ腫など)の発症を予防するためや

血球(赤血球、白血球、血小板)の異常を予防するためにも

被爆しないようにすることが重要なのです。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。