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院長日記

子曰く、知者(ちしゃ)は水を楽しみ、仁者(じんしゃ)は山を楽しむ。知者は動き、仁者は静かなり。知者は楽しみ、仁者は寿(いのちなが)し。 論語【雍也篇】

武本 重毅

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 知者はその才能を運用して楽しみ、水が流動して物を潤すようで、動いている。仁者は重厚で自愛深く、山のようにどっしりとして草木禽獣(きんじゅう)をその中で生育するようで、静かである。
 また一方、知者は動いて功を成して楽しみ、仁者は重厚で山が崩れないようだ、だから寿命が長い。
 理想をもって言えば、人は常に動いてばかりいて、水だけを楽しむ知者となってもいけないし、また常に静かにしてばかりいて、山だけを楽しむ仁者になってもいけない。水も山もあわせ楽しむ知仁兼備の人が望ましい。
(渋沢栄一「論語」の読み方、竹内均編・解説)

歳をとってくると、「まだやっていないことは何だったかなぁ」と新しい挑戦を始め、失敗すると「この危機をどうやって切り抜けようか」と色々な策を練ってみるようになる。そういう知恵がついてくる。また若い人をみると、「何か力になれることはないかな」と自分なりにサポートする方法を考えたりしながら、自分も若いときの気持ちを共有するようになる。そうやって色々な出会いがあると自身の寿命が楽しみになってくる。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。