アレルギー疾患の症状と治療
熊本市医師会看護専門学校講義「アレルギー」各論 2020年9月28日
本日はアレルギーの総論の最後、治療からはじめ、それぞれの疾患をみていきましょう。
治療(総論)
生活習慣の改善
不規則な生活やストレスの多い生活では、アレルギー症状は悪化しやすいといわれています。そこで、まずは規則正しい生活を心がけましょう。
アレルゲンはさまざまな経路で体内に侵入してきます。したがって、寝具を洗ったり、ていねいに掃除機をかけたり、ペットを飼わないようにするなど、アレルゲンの曝露を極力減らすことが重要です。
アレルギー疾患全般にとくに悪影響を及ぼすのは喫煙です。たとえば喫煙は喘息の発症リスクを高め、喘息患者を重症化し、最も重要な治療薬であるステロイド吸入薬の臨床効果を打ち消してしまいます。禁煙しましょう。
大気汚染物質であるPM2.5も、タバコと同様に上下気道や眼結膜の症状を悪化させるので、気象予報にも気をつけましょう。
薬物療法
副腎皮質ステロイド薬は、抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用をもち、最も重要な治療薬のひとつです。ただ、逆に、さまざまな副作用がおこります。感染症がおこりやすくなり、内分泌や代謝に影響を与えるので糖尿病、肥満、骨粗鬆症、高血圧、脂質異常症、さらには精神症状や消化性潰瘍などもみられます。このため、吸入薬や点鼻薬、外用薬戸云う形で局所投与することにより全身性の副作用を回避するようにします。しかし、アナフィラキシーや喘息の重積発作では、全身投与が必要となりますので、効果を期待できる量で開始し、漸減していきます。また、体内でのホルモン動態に合わせて、朝多く投与するようにすれば不眠や精神症状を軽減させることができます。
抗ヒスタミン薬はH1受容体の拮抗薬であり、気管支収縮や血管拡張、血管透過性亢進を抑えます。現在主流となっている第2世代抗ヒスタミン薬は、脳への移行が少なく、眠気が生じにくくなっています。
抗ロイコトリエン薬は、気管支収縮や気道粘膜の浮腫を軽減させるので、喘息やアレルギー性鼻炎に対して用いられます。
アドレナリンは、副腎髄質ホルモンの一種であり、通常は強心薬、ショック治療薬として用いられます(エピネフリン)。アナフィラキシーショックでは、末梢血管拡張や血管透過性亢進による循環動態の悪化を阻止する目的で用いられ、筋肉内注射で投与されます(エピペン)。喘息発作では皮下注射で投与され、気管支平滑筋収縮を解除させます。ただし、致死性不整脈や脳出血のハイリスク、甲状腺機能亢進症の症例には禁忌となっています。
生物学的製剤としては、アトピー性皮膚炎に対して抗IL-4受容体抗体、喘息に対して抗IgE抗体、抗IL-5抗体(メポリズマブ)、抗IL-5受容体抗体、抗IL-4受容体抗体が用いられますが、高価な薬剤です。
アレルゲン免疫療法
1911年からおこなわれている、アレルギー唯一の根本的治療法です。アレルゲンを少量から開始し増量しながら投与し慣れされる治療法です。ただし、誤って多量に投与すると、アナフィラキシーショックにより生命の危機に陥る危険性があります。このため専門の医師のもとで慎重に行われます。
皮下注射法が古くから行われていますが、体調によってはまれに全身アレルギー症状やアナフィラキシーをおこすことがあります。
舌下療法は、スギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎に適応があります。毎日1回投与し、最低3年は続ける必要があります。ただし、多種のアレルゲンに対し感作されていたり、気管支喘息が不安定であったり、妊婦だったり、アドレナリン投与に懸念のある症例やβ遮断薬服用中の症例には適応ありません。
経口免疫療法は、食物アレルギー(卵や牛乳)の小児において注目されています。
アレルギー疾患(各論)
気管支喘息
気管支が発作性に収縮することにより、気道が狭窄して喘鳴や呼吸困難を生じます。
患者数は近年増加傾向ですが、治療の進歩と普及により死亡者数は減少傾向にあります。
アトピー型(アレルギー性)と非アトピー型に分けられます。小児喘息のほとんどがアトピー型で、ダニや真菌、動物の毛などがアレルゲンであり、これらに対する血清中の特異的IgEが陽性となります。
成人患者の1割ほどはアスピリン喘息で、好酸球を豊富に含む鼻茸を認め、アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID, NSAIDs)の内服により喘息発作が誘発されます。
また、好酸球性副鼻腔炎という難治性慢性副鼻腔炎を発症する成人は、両側に多発性の鼻茸をもち、気管支喘息、NSAIDs過敏、薬物アレルギーがみられます。
アトピー型喘息のアレルゲンはもちろんですが、ウイルス感染、タバコの煙、気候変化、運動、ストレスなどで気道の炎症が持続します。気道過敏性亢進も相まって、夜間や早朝に気道狭窄がおこり、呼息時の喘鳴、呼息延長、胸苦しさ、咳、呼吸困難が生じます。患者は粘稠な痰を産生し、起座呼吸となります。長期間にわたって気道炎症と症状が続くと、気道平滑筋の増加・基底膜部の肥厚、粘膜下浮腫など(気道のリモデリング)がおこり、気道狭窄が固定したまま治らなくなります。
それまでは、気道狭窄は変動し、症状があるときは呼吸機能検査(スパイログラム)で1秒量が低下し、あるいはピークフロー値で20%をこえる低下を認めます。呼気の一酸化炭素(NO)値が上昇し、血液および喀痰の好酸球数が増加します。
以上のような検査異常がみられない咳喘息という病型もあります。咳症状が主体で、気管支拡張薬の吸入により症状は改善します。
最も重要な治療薬はステロイド吸入薬です。これに、気管支拡張薬吸入、抗ロイコトリエン薬内服、徐放性テオフィリン内服を追加します。重症な患者には、生物学的製剤(抗IgE抗体、抗IL-5抗体、抗IL-5受容体α抗体、抗IL-4受容体α抗体)や経口ステロイド薬を用いることがあります。発作時にステロイド薬やアミノフィリン水和物(体内でテオフィリンとして存在)、気管支拡張作用、心臓刺激作用、利尿作用の点滴静注、アドレナリン皮下注などを重症度に応じて追加します。
アレルギー性鼻炎・結膜炎
I型アレルギー反応により、鼻粘膜炎症とくしゃみ、鼻漏(一般に鼻水とよばれる)、鼻閉という症状が生じるのがアレルギー性鼻炎、 眼結膜炎症と流涙、瘙痒感という症状を生じるのがアレルギー性結膜炎です。
通年性アレルギー性鼻炎はヒョウヒダニなどのダニアレルゲンを主成分とするハウスダストが原因ですが、季節性のものは、いわゆる花粉症であり、春はスギやヒノキ、初夏から秋にかけてはイネ科の雑草、秋にはブタクサ、ヨモギ、カナムグラの花粉が原因となります。
ダニや花粉アレルゲンに対する特異的IgEがマスト細胞に結合しており、アレルゲンが鼻腔や結膜に到達するとIgEを架橋して、マスト細胞からケミカルメディエーターが放出されます。ヒスタミンは、局所の感覚神経終末を刺激してくしゃみを、分泌腺を刺激して鼻漏・流涙を誘発し、ロイコトリエンは、血管透過性亢進により鼻粘膜浮腫・鼻閉、眼の充血などをおこします。
治療は、まずアレルギーの除去や回避に努めましょう。掃除機はゆっくり動かす、ふとん・枕にダニを通さないカバーをかける、シーツ・ふとんカバーは週に1回以上洗濯する、外出時にマスク・眼鏡を使う、帰宅時には衣服や髪をよく払ってから入室する、洗顔・うがいをし、鼻をかむなど行いましょう。抗ヒスタミン薬、鼻閉が強い場合には抗ロイコトリエン薬を内服します。点眼液や点鼻薬も使用します。
薬剤治療で改善しない場合は手術療法もありますが、鼻粘膜は生まれ変わりますので、毎年受けることになります。
さらにスギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎に関しては、アレルゲンの舌下免疫療法もありますが、即効性はありません。
食物アレルギー
食物アレルゲンによって引きおこされるアレルギー反応です。小児では卵や牛乳、成人ではエビ、カニ、そば、ピーナッツなどがアレルゲンとなります。典型的な反応では、特異的IgEが関与し、摂取時に蕁麻疹やアナフィラキシー(全身症状)を生じます。ただ、検査で特異的IgE値が高いからといって原因食物とは限りません。実際に症状と摂取食物との関係から治療を判断します。
小児においては、食物経口負荷試験が最も信頼性が高い検査ですが、危険を伴うので専門施設で行います。成人の場合には、後述するように食物と運動負荷との組み合わせや、患者の体調も影響します。
治療は、症状を誘発する食物を回避します。乳幼児では数ヶ月の回避により体質が変化して摂取可能となることも多いので、その際の食物経口負荷試験は、除去してきた食物を食べても影響がないかどうか確認するのに役立ちます。
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
学童期から成人において、ある特定の食物を摂取して運動を行うと、アナフィラキシーが誘発されます。検査では食物アレルゲンに対する特異的IgEが陽性です。
例えば、よく知られている小麦アレルギー(ω-5グリアジン)では、パンやパスタを食べて2時間以内に運動するとアナフィラキシーを発症します。
「茶のしずく石鹸」による食物依存性運動誘発アナフィラキシー
「茶のしずく石鹸」という特殊な化粧石鹸で繰り返し洗顔した結果、国内で2千人をこえる女性が被害にあいました。小麦タンパク質は、顔面の皮膚を通過しにくい高分子ですが、これを加水分解し皮膚を通過できるサイズの分子にしていたため、小麦タンパク質に対する感作が成立し、小麦アレルギーとなりました。そしてこの患者が、小麦食品を摂取した後に運動を行い、アナフィラキシーを発症したのです。
パンケーキ症候群
小麦粉製品の使用した残りを室温で保存していると、そこでダニ(コナヒョウダニ、ケナガコナダニ)繁殖し、お好み焼きやたこ焼きを食べて重篤なアナフィラキシーを発症する場合があります。そのダニ抗原のアレルゲン性は100℃で1時間以上加熱しても消失しません。開封後の小麦粉製品(ミックス粉の方がダニが繁殖しやすい)は、密封した容器で冷蔵保存しましょう。
花粉・食物アレルギー症候群
幼児期から成人において、果物や野菜を摂取直後に、口腔粘膜や喉の瘙痒感を生じるのを、口腔アレルギー症候群といいますが、この症状は花粉アレルゲンに特異的なIgEが引きおこす交差反応です。例えば、シラカンバやハンノキの花粉症患者は、リンゴ、モモ、サクランボというバラ科の果物を食べると、食物アレルギー症状を生じることがあります。この場合のアレルゲン性は加熱などで消失しますので、過熱した野菜や缶詰は食べることができます。アナフィラキシーショックをおこす症例は2%未満ですが、アドレナリン自己注射薬を処方します。
アニサキスアレルギー
サバやイカを食べると、その寄生虫であるアニサキスが生きた状態で胃壁に侵入して腹痛を生じますが、アレルギーの原因にもなります。このアニサキス虫体のアレルゲン性は死んでいても加熱後であっても消失しません。嘔吐や下痢という消化器症状だけでなく、アナフィラキシーもおこり得ます。
アナフィラキシー
アレルゲンが体内に侵入した後、急速に全身性にアレルギー症状がおこる反応のことです。血圧低下、呼吸困難、意識障害という重篤な状態をアナフィラキシーショックといいます。アナフィラキシー発症の原因として最も多いのは食物ですが、死亡原因の主なものは医薬品とハチ刺傷です。
食事摂取、ハチ刺傷、臨時薬投与から、通常30分~1時間以内に、皮膚・粘膜症状(全身の発疹、瘙痒、紅潮、浮腫)、呼吸器症状(呼吸困難、気道狭窄、喘鳴、低酸素血症)、循環器症状(頻脈、動悸、血圧低下)、消化器症状(腹痛、下痢、嘔吐)のうち複数が出現したら(あるいは血圧低下やチアノーゼ、意識レベル低下のショック症状ならすぐさま)、治療を開始します。第一に行う治療は、アドレナリンの筋注です。アドレナリンにより拡張した末梢血管を収縮させ、気管支を拡張させ、強心効果により、呼吸および循環動態の安定化をはかります。臥位にして脚挙上、そして大量の輸液や副腎皮質ステロイド薬の点滴静注を行います。
発熱・疲労・睡眠不足といった体調不良時や運動直後、月経直前などは、アナフィラキシーの重篤化・増強因子です。
重症例において、呼吸停止または心停止にいたる時間は、薬物によるアナフィラキシーショックでは5分、ハチ刺傷では15分、食物では30分といわれています。
ちなみに、ハチは黒っぽい服や香水に寄って来ますので、注意しましょう。
アトピー性皮膚炎
アトピー素因の人においては、アトピー性皮膚炎や気管支喘息、学童期以降ではアレルギー性鼻炎・結膜炎を発症しやすくなります。これをアレルギーマーチとよびます。また、一旦アレルギー症状が落ち着いた後、数年から数十年経った後、再びアレルギー疾患が出現することもあります。
皮膚では、角質細胞間の脂質であるセラミドが減少し、皮膚水分量の低下による乾燥肌とで、皮膚バリアの機能異常をきたし、アレルゲンが通過することで感作がおこります。そして、リンパ球から化学伝達物質が放出され、慢性的な瘙痒と湿疹を生じます。そこに、食物アレルギーや皮膚感染症がおこったり、発汗や掻破行動により、症状は悪化します。
皮疹は、急性期には、浸潤性紅斑、漿液性丘疹、鱗屑、痂皮、慢性期には、苔癬化、痒疹がみられます。
検査では、総IgEが増加しダニ、食物、ペットなどに対する特異的IgEが陽性になり、血液中の好酸球数増多やTARC(thymus and activation-regulated chemokine)の血清中濃度上昇を認めます。
治療としては、まず入浴・シャワーをやや低めの温度(38~40℃)で短時間にすませるようにして、その後で保湿クリームやワセリンを塗るようにします。石鹸や洗浄剤の使用は最小限にします。爪は短く、やすりをかけます。必要に応じて、ステロイド外用薬やタクロリムス水和物の軟膏を使用します。
薬物アレルギー
まず薬物やその代謝物がアレルゲンとなり、感作が成立します。そして、リンパ球や体内で産生した抗体が、アレルゲンとなる薬物に対して免疫反応をおこします。アレルギー分類のそれぞれにあてはまる例を以下に挙げます。
I型:ペニシリンを原因として特異的IgEと反応し、即時型アレルギー症状(蕁麻疹などの皮膚症状やアナフィラキシー)を生じます。
II型:血液型不適合輸血により、患者抗体が輸血細胞に結合し、補体を活性化して溶血反応がおこります。
III型:破傷風毒素やヘビ毒素を中和する目的で、抗血清(ウマ血清)を用いることがありますが、投与1週間後くらいからウマタンパク質に対する抗体が産生され、それらが免疫複合体を形成し、この免疫複合体が組織に沈着すると、補体を活性化し、好中球を誘導し、組織が傷害されます。
IV型:薬物を皮膚に塗布した際に皮膚に炎症が生じます(接触性皮膚炎)。
症状は全身性のものと、皮膚・粘膜、血液・造血器、呼吸器、肝臓、腎臓などの臓器におこるものとがあります。
治療は、症状に対する救急治療を優先して行います。
ところで、「ピリン系」解熱鎮痛薬にアレルギーをもつ患者がいますが、これは「ピラゾリン基本骨格を有する」解熱鎮痛薬ということで、アスピリンは含みません。
重症薬疹
ここでは生命の危険があり、皮膚科医を中心とする集中治療を必要とする皮膚症状について紹介します。
スティーブンス–ジョンソン症候群(SJS)
全身の皮膚紅斑と口腔など全身の粘膜に出血性びらんを示します。
中毒性表皮壊死症(TEN)
SJSよりもさらに広範囲の紅斑や、対表面積の10%を超える水疱、表皮剥離、びらんを呈します。
薬剤性過敏症症候群(DIHS)
抗痙攣薬、アロプリノール、ミノサイクリンなどを内服して2~6週後に、体内のヘルペスウイルス、HHV-6の再活性化がおこり、発熱、全身性の紅斑、リンパ節腫大、肝障害、腎障害、肺炎、脳炎、心筋炎、自己免疫疾患、甲状腺炎、I型糖尿病などを生じます。血液中に異型リンパ球が増加し、好酸球増多も認めます。脳炎や心筋炎は予後不良です。
急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)
ペニシリン系抗菌薬などの投与をきっかけに、急速に発熱と全身に紅斑と小膿疱が多発します。
ラテックスアレルギー
ラテックスとは、天然ゴムあるいはその加工品をさし、ゴム手袋などの原料となります。皮膚を通過したラテックスタンパク質が感作を成立させ、接触皮膚炎や急性蕁麻疹、あるいはアナフィラキシーを引きおこすことがあります。
ラテックスを含まない合成ゴム手袋を使ったときに症状がないことが診断の参考になります。I型アレルギー反応の場合には、血清中のラテックス特異的IgEが陽性となります。
手袋を頻繁に使う医療従事者や調理師、医療処置を繰り返し受ける二分脊椎患者などが、ハイリスク群となります。また、アトピー素因をもつ人や手に湿疹のある人は、感作がおこりやすくなります。
ラテックス–フルーツ症候群
ラテックス特異的IgEが陽性の人では、アボカド、バナナ、クリ、キウイフルーツという一部の果物と交差反応をおこすことが知られています。食品摂取後に口腔内や咽頭の違和感・ピリピリ感を感じたり(口腔アレルギー症候群、前述)、蕁麻疹だけでなく、アナフィラキシーなどの重篤な全身症状を生じることもあります。
このため、ラテックス製品との接触を避けるほか、症状を引きおこした食品およびその加工品を除去する必要があります。医療従事者が罹患した場合には、医療用手袋だけでなく、輪ゴム、絆創膏、駆血帯、カテーテルなど様々な医療用具に注意を要します。
職業性アレルギー
前述した医療従事者のラテックスに対するアレルギーのように、農業(農薬など)、工業(油、タール、フェノール、塗料、金属など)、美容師(毛髪、パーマネントウェーブ液、染毛剤など)、事務職従事者(デスクマットなど)など、他の業種でも接触皮膚炎がおこる場合があります。
ペット・昆虫アレルギー
ペットの毛や皮屑がアレルゲンとり、また室内で飼っているペットでダニが増加しダニアレルギーもおきやすくなり、喘息や鼻炎・結膜炎がおこります。
ハムスターやモルモットを飼っていて、知らない間にそのアレルゲンに感作され、噛まれたことにより唾液中のタンパクが体内に侵入し、重篤なアナフィラキシーをおこすということもあります。
インコやアヒルでは、羽毛や糞がアレルゲンとなり、喘息の原因になります。
化学物質過敏症
芳香剤や防虫剤などで眼のチカチカする感じや咳、呼吸困難を生じることがあります(化学物質過敏症)。
また、新築の建材から微量に漏れ出る物質で呼吸困難を生じることもあります(シックハウス症候群)。
血清病
日本には、マムシ、ヤマカガシ、ハブという毒蛇がいます。これらのヘビ毒を中和したり、破傷風毒素を中和する目的で、抗血清(ウマ血清)を筋注することがあります。その投与されたウマタンパク失は異物ですので、抗体が産生され、免疫複合体が形成され、発熱や蕁麻疹、関節炎を生じることがあります。III型アレルギー反応です。このような異種タンパク質を皮膚局所に注射して数時間後に生じる発赤や硬結をアルサス反応といいます。