日本の亜熱帯化:もう熊本にも夏が来た!(その2)感染症篇
日本が亜熱帯化すると言われている理由には
気温上昇による生態系の変化も含まれます。
例えば、熱帯や亜熱帯地域に多く見られる病気
デング熱
それを媒介するとされるヒトスジシマカ
これらの存在をわれわれが認識したのは
2014年のことでした。
東京・代々木公園で刺された多くの人が感染し
約70年ぶりの国内感染となり盛んに報道されたのでした。
デングウイルスを原因とするデング熱は
熱帯や亜熱帯地域で毎年1億人が発症します。
主な症状は
38度以上の高熱
全身の発疹
まれに重症化して血小板が減少し
出血症状を起こし
死に至ることがあります。
これまでであれば
日本にデングウイルスが常在しないため
蚊がいるだけでは流行は起きませんでした。
国内感染や流行は
海外で感染した人が日本でヒトスジシマカに刺され
そのウイルスを持つ蚊が
別の人を刺すことで起こります。
すなわちウイルスは
海外旅行や海外居住者の来日
輸入動物などによって
国外から国内に持ち込まれます。
日本で確認されるデング熱のほとんどが、この輸入症例で
2019年の患者は461人で
1999年の集計開始以来最多となりました。
そして東京新聞によれば
いまや新型コロナウイルスの感染が拡大する中
東南アジアでは
蚊を媒介とするデング熱も猛威を振るい
シンガポールでは患者数が2万人を超え過去最多を記録したそうです。
これからの海外から日本への旅行客増加にともない
新型コロナウイルス対策だけでなく
デング熱など輸入感染症への対策と
われわれ医療関係者にとっては
さらに大変な2022年となりそうです。