老化は疾病-「老いなき世界(LIFE SPAN)」その17: NADを増加させるNRとNMN
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21世紀に入り
このアンチエイジングへの道は
一気に開かれました。
2004年のこと
ビタミンB3の一形態であるNR(ニコチンアミドリボシド)が
きわめて重要な
NADの前駆体のひとつであることが発見されました。
NRは
牛乳に微量に含まれている物質ですが
NADを増加させます。
一方
別のNAD前駆体である
NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)についても
研究が進められました。
これは
人間の細胞内でもつくられており
アボカド
ブロッコリー
キャベツ
などの食物にも含まれています。
体内では
NRがまずNMNに変換され
次にそれがNADに変わります。
NRかNMNを入れた飲み物を動物に与えると
体内のNAD濃度は
それから2~3時間で
約25%上昇します。
これは
まるで、以前の「長寿遺伝子を今すぐ働かせる方法」で述べたように
それまで絶食か
相当な運動をしていたかのような
上り方なのです。
2011年には
NMNがNAD濃度を回復させることで
高齢マウスの2型糖尿病のいくつかの症状を
治療できることが示されました。
2016年には
2型糖尿病のひとつのタイプを
NMNで治療できることがわかりました。
また
NMNが
高齢マウスを
ウルトラマラソンのランナーに変え
平衡感覚
協調運動能力
俊敏さ
体力
記憶力
など
目を疑うほどなのでした。
「NMNとNRでは、どちらが高い効果を示すのでしょうか?」
NMNはNRより安定しており
マウスの実験では
NRを使った場合には見られない健康効果が
NMNには確認されているのでした。