最近のNMNヒト臨床試験まとめ 4:世界初のNMN臨床試験に関する成果
私たちのクリニックで
NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)サプリメント服用を続けている患者さんから
「血糖値が下がった」
「HbA1c値が下がった」
という声をいただくようになりました。
今回ご紹介するのは
まさに糖尿病に関する臨床試験結果です。
しかも本研究は
ここ数年NMNを巡って待望されてきた
人間に対する「世界初のNMN臨床試験に関する論文」となりました。
NMNヒト臨床試験 その7
ニコチンアミドモノヌクレオチドは前糖尿病の女性の筋肉インスリン感受性を増加させる
Science. 2021;372(6547):1224-1229.
米国ワシントン大学医学部の吉野美保子准教授、吉野純准教授、Samuel Klein教授および
共同研究者の今井眞一郎教授らの研究が
2021年、権威ある医科学雑誌「Science」に論文が掲載されました。
10年ほど前
吉野純准教授と今井眞一郎教授は
糖尿病マウスへのNMN投与の効果を証明しました。
肥満をともなう2型糖尿病では
NAD+の回復により耐糖能が改善し
肝臓でのインスリン感受性が増加し
酸化ストレス・炎症反応・体内時計に関する遺伝子発現が回復しました。
そして加齢にともなう2型糖尿病では
耐糖能に加え
脂質異常も改善したのでした。
そして今回の臨床試験では
前糖尿病(糖尿病予備軍で)
肥満、閉経後の女性25人(55~75歳)を
無作為に2群に分け
13人は1日250㎎のNMN
12人はプラセボ(偽薬)を
10週間経口摂取しました。
その結果
NMN摂取群の骨格筋(筋肉)で
血糖値を下げるインスリン感受性が平均25%増加し
2型糖尿病やその予備軍で低下する糖の取り込み機能が改善したのです。
インスリン感受性の平均25%の増加は
10%体重を落としたとき
あるいは
糖尿病治療薬のトログリタゾンを12週間投与したときに
生じる改善に匹敵するといいます。
さらにNMN摂取群では
加齢に伴って下がる血液細胞中のNAD濃度が上がり
筋肉の再構築を促す遺伝子の発現が高まったことも確認されています。
NMNで筋肉の再構築の機能が高まるというのは
マウスによる研究でも分かっていなかったことでした。
このように
NMNの人間に対する効果が
明らかになってきました。