ラグビーワールドカップ2019日本大会 熊本での試合を観戦して思う
私は高校時代にラグビーを始め、1年生からスタンドオフのポジションで試合に出場した。素人だったが抜擢された。元々一つのことに熱中するタイプだったので、高校3年を迎える年にはそれなりのプレーができるようになった。ただ、当時のルールは今のようにプレーヤーの身体を大事にしてくれるようなものではなかったので、高校総体最後の試合では脳震盪を起こして何も覚えていない状態で、それでも何とか試合を続けていたらしく、司令塔としての役割が果たせない状態で気がついたら試合が終わっていた。準決勝戦であったが、我々に勝った氷川高校が花園へとコマを進めた。
もう辞めようと思っていたラグビーだったが、熊本大学医学部への入学が決まると続けることになった。ラグビーは自分が頑張っただけ他の14人を助けることができるようになり、逆に皆の頑張りのおかげで自身は自由にプレーすることができるようになる。しかし自分がミスをすれば他の誰かに迷惑をかけてしまうし、その判断が大きく間違っていれば相手に点数を許し試合に負けてしまう。それを痛感したラグビー人生だったように思う。
今は医療の分野のみならず、あらゆる会社・企業でリスクマネージメントのノウハウ、意思統一についてなどを系統立てて学ぶことができるようになっている。まさにこの考え方、このやり方はラグビーという競技で勝つためにも必要であると思う。単なるその場の思いつきや博打(賭け)でどうにかなる競技ではないのである。もちろん天才的プレーヤーの「ひらめき」を否定するものではないが。