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院長日記

回復医療という新しい考え方 ― 「治す」だけではなく、“戻れる身体”を支える医療へ ―

武本 重毅

皮膚科医療ではまず、保険診療によって「病気」を治療します。

炎症を抑える。

感染を治す。

症状を改善する。

これは医療として非常に重要な役割です。

しかし実際には、治療が終了した後にも、多くの方がさまざまな悩みを抱えています。

  • 肌の乾燥
  • 赤み
  • バリア機能の低下
  • 瘢痕(はんこん)
  • 質感の変化
  • “疲れて見える”印象
  • 自信の低下

つまり、

「疾患」は治っても、

“回復”はまだ終わっていないのです。


美容医療とは「回復環境」を整える医療

現在の皮膚科では、

美容・自由診療の役割がますます重要になっています。

その目的は単なる美容ではありません。

肌状態を維持し、

QOL(生活の質)や自己肯定感を守り、

“自然に戻れる状態”を支えること。

その評価指標の一つが、

TEWL(経表皮水分喪失量)

です。

TEWLは、皮膚からどれだけ水分が失われているかを示す指標であり、

皮膚バリア機能や、

肌が本来持つ「回復力」を可視化する重要なサインでもあります。


ECM(細胞外マトリックス)という「回復環境」

さらに近年、重要視されているのが

ECM(細胞外マトリックス)

です。

ECMは単なる構造物ではありません。

細胞同士をつなぎ、

水分・弾力・修復シグナルを支える、

“回復が起こる環境”そのものです。

近年では、

ポリヌクレオチド製剤(PN製剤)

などを用い、

炎症を無理に抑え込むのではなく、

  • 修復
  • 再生
  • 安定化

を促しながら、

肌を“自然に整った状態”へ導くアプローチが注目されています。


ミトコンドリア回復医療との共鳴

この考え方は、

私たちが提唱する

Mitochondrial Recovery Medicine

(ミトコンドリア回復医療)

とも深く共鳴しています。

私たちの医療は、

単に症状を抑えるだけではありません。

身体が本来持つ、

“戻る力”

そのものを支える医療です。


私たちが目指すもの

ミトコンドリア回復医療は、

  • 保険診療に至る前の「予防」
  • 保険診療後の「回復力支援」
  • 神経・免疫・代謝の安定化

を通じて、

身体全体の回復環境を整えることを目的としています。

病気を治すだけではなく、

“戻れる身体”を維持する。

そして、

自然に回復できる環境を守る。

それが、

これからの回復医療だと私たちは考えています。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。