Director's blog
院長日記

7年前の今ごろ考えた医療の現状と何も変わっていません

武本 重毅

医療費が高騰を続ける中、
そして日本経済全体が落ち込む中、

新しい薬である標的治療薬の薬価は高く、先進医療が幅を利かせ、夢のような治療方法に多額の研究資金がつぎ込まれる。

はたして、いつまで続けることができるであろうか。
少子高齢化社会と世界経済の悪化は、貧富の差を拡大している。富裕層は今後も高度な医療を受けることができるとしても、その他の一般市民が何を望むだろうか。財産を投げ打ってでも生きたいと思うだろうか。

今の医療界は、近いうちにバランスを崩し、大きなしっぺ返しを受けるかもしれない。高度先進医療、ゲノムプロジェクト、ダヴィンチ手術は本当に必要なものなのか。一昔前のような感染予防のためのワクチン接種、疾病予防のための健診、そして健全な日常生活が、今こそ必要なのかもしれない。そういう時代に逆戻りしなければいけない時が、もうすぐやってくる。

その時に備えて、簡便で、安価な、何処でも、誰もが受けることのできる、検査方法を確立し整備していこう。

2012年11月14日 武本重毅 

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。