サル痘の世界的流行:天然痘そしてエイズから私たちは何を学んだのか(前編)
熊本を拠点とした国際的な感染症対策活動に少なからず身を投じてきた私としましては
https://www.health-research.or.jp/library/pdf/forum19/fo19_5_04.pdf
とうとうこのように
感染症が次から次へと
世界中の人びとを苦しめる時代がやってきたのだと感じています。
過去に起こったことを振り返り
現在起こっていることを自分なりに解析しながら
未来の世界を予想し思い描く毎日です。
新型コロナウイルスだけでない注意すべき感染症として
わたしは今年の3月28日に
聚楽内科クリニックのホームページの院長日記で
天然痘について書きました。
この時恐れていたのは
天然痘テロですが
実際に今われわれの脅威となりつつあるのが
昨日日本国内でも最初の感染が確認された
サル痘です。
感染したのは東京都内在住の30代の男性で
6月下旬に欧州に渡航し
渡航先でサル痘と診断された人との接触があり
7月中旬に帰国したようです。
世界保健機関(WHO)は
今月23日
サル痘は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当するという
宣言を出しました。
これに対応して
日本政府は国内発生への備えを急いでいた矢先のことでした。
厚生労働省は今月29日に開く専門部会で
天然痘ワクチンをサル痘予防に使うことの可否を審議します。
聚楽内科クリニックの院長日記でも書いていたように
バイオテロ対策が必要であり
そのため天然痘ワクチンは備蓄されているわけです。
そのワクチンは
KMバイオロジクス(熊本市)が生産しているそうです。
新型コロナウイルスに対しての新しいタイプのワクチンも含めて
熊本が誇るワクチン開発の拠点としての活躍から
目が離せません。